静岡県の川勝平太 知事がリニアの開業延期を辞職の理由に挙げたことを受け、4月8日の会見で不快感を示していた愛知県の大村知事が10日、再び川勝知事に対して怒りを露わにしました。


川勝知事「事業計画が音を立てて崩れた」


愛知県・大村秀章 知事(4月8日)

愛知県・大村秀章 知事(4月8日):
我々を“たばかった”のかと言わざるを得ない

10日に退職届を提出した川勝知事が、辞職の最大の理由としてリニア中央新幹線の開業延期を挙げたことについて、4月8日の会見で不快感をにじませた愛知県の大村知事。


静岡県・川勝平太 知事(4月10日)

こうした中、川勝知事は10日の会見で、自らについてあくまでも”リニアの推進派”と主張したうえで…。

静岡県・川勝平太 知事(4月10日):
元々の事業計画が音を立てて崩れたというのが実態。私たちが早期開通に足を引っ張ったことは一度もありません


愛知・大村知事「お前が言うな」


愛知県・大村秀章 知事(4月10日)

しかし、川勝知事の発言に対して大村知事が再び怒りを露わにしました。

愛知県・大村秀章 知事(4月10日):
2027年(の開業)をJR東海が断念したのは、「静岡のせいではない」と言っているが、実際問題、この間 協議を始めて静岡工区についてJR東海が建設会社に工事を発注して、もう6年4カ月〜5カ月経っている。その間(工事が)全然進んでこない。

我々から言わせれば、川勝知事と静岡県がずっとずっとずっとずっと延々と協議されていることで時間が過ぎ、事業が遅れていった。そのことをもって事業計画が「杜撰でだった」「破綻した」と。誰が何を言っているんだ?と。誰が言う?と。最近の流行で言う“おまいう”(おまえが言うな)ということですからね


「すべて“いちゃもん”つけていましたよね」


リニア中央新幹線静岡工区に関する報告書

その上で、大村知事は「静岡県が懸念を示している大井川の水問題や生物に関わる問題は、すでに国の有識者会議での議論が終わり報告書も出されている」と強調しました。

愛知県・大村秀章 知事(4月10日):
専門家・科学者が科学的な論拠をもって作った報告書については、私はもっと尊重すべきではなかったのではないかなと(思う)。

科学者・専門家の方が出してきたレポートで「水問題はこういう解決策がある」「これで何とかなる」「大井川の(水の)量は減らない」といっても、はっきり言ってすべて“いちゃもん”つけていましたよね。それはどう考えても科学的な論拠ではまったくない。早期整備・早期開業に向けて、力を尽くしてくれたということではないのではないかと見ざるを得ない。みなさんそう見ているのではないんでしょうか


リニア中央新幹線

大村知事はリニアの建設促進期成同盟会の会長を務めていることから、新たな静岡の知事には現状の打開に期待を寄せ、「1日も早い開業に結びつけるというスタンスに変わりはない」とも話しています。