静岡県内は17日未明から朝にかけて大気の状態が非常に不安定となり、浜松市では突風で車がぶつかり男性がケガをするなどの被害も出ました。なぜ突風が発生したのか、小塚恵理子 気象予報士の解説です。
1時間雨量は4月の観測史上最大
小塚恵理子 気象予報士:
今回の非常に激しい雨や雷雨は局地的なものでした。どんな雨の降り方だったのか、まずレーダーで振り返ります。
16日午後10時です。西から雨雲が入ってきて、17日未明は静岡市でも強い雨で同時に雷も鳴りました。
この後も断続的に雨雲が流れ込んで、明け方からは南の地域が中心です。浜松では非常に激しい雨が続いていたのがわかります。1時間に浜松は54.5mmと4月の観測史上最大を記録しました。
同時に雷も多発しました。
未明に突風が発生
小塚恵理子 気象予報士:
17日午前4時45分。浜松で突風と見られる被害が発生した頃の時間です。この雨に対して「四角」は雷が落ちたこと、「バツ」は雷が空で光ったという印になりますが、多発していたことがわかります。
小塚恵理子 気象予報士:
では、なぜこんなにも激しい現象が発生したのか。その要因を見ていきます。
17日朝の天気図です。高気圧をまわって暖かく湿った空気が北の低気圧にかけて流れ込んでいました。明け方は特に流れ込みの強い所が静岡県を通過するタイミングでした。
さらに、今回は上空には寒気が流れ込んでいたために積乱雲が発達しやすい状態となっていました。
−ピンポイントで予想するのは難しい?
小塚恵理子気象予報士:
16日の夕方時点では、どこでいつ起こるのかは難しかったです。
突風を引き起こした原因は?
小塚恵理子 気象予報士:
この積乱雲は雨だけでなく、今回のような突風を引き起こすことがあります。
寒気によって上昇気流が強められますが、この上昇気流に何らかの回転が加わると竜巻が起こることもあります。
一方で、下降気流(下に向かう流れも強まっていて)それが地上に勢いよく吹きつけると、ダウンバーストやガスフロントといった建物を破壊するほどの突風を引き起こすこともあります
現在、気象庁がどのくらいの強さだったのかなどを調査している状況です。