新型コロナウイルスへの対応について、4月からは通常の医療態勢に移行し、感染者への特例支援も終了します。具体的には何が変わるのでしょうか?

【医療提供態勢は?宮城県の場合】
・外来診療は、これまで宮城県が指定した医療機関だったが、今後は通常の疾患と同様に一般的な医療機関で。
・電話相談窓口である宮城県の受診情報センター終了。
・入院患者を受け入れてきた確保病床はなくなる。
 宮城県が医療機関に支払っていた病床確保料もなくなる。
・入院調整に対する行政のサポート終了。

【公的支援】
・治療薬は、これまで最大で9000円の自己負担だったが、4月からは他の疾患と同じように医療保険の自己負担の割合に応じ支払いが必要に。
・公費からの最大1万円の入院医療費補助が終了。

【ワクチン】
全額公費負担だった「特例臨時接種」が終了し、65歳以上の高齢者、もしくは基礎疾患のある60歳から64歳の人を対象とした原則自己負担での定期接種に。
それ以外の人は、任意接種で、時期を問わず自費で接種。


4月から新型コロナについての医療提供態勢や公費支援が大幅に縮小されることについて専門家は、「今後、コロナに感染しても病院にかからない人が増えるのでは」と懸念します。

東北医科薬科大学の遠藤史郎教授は、新型コロナは、一般の病気に近い形で診察できるようになってきてはいるものの感染力は変わっておらず、今後も病院内で感染が広がるおそれがあるといいいます。

東北医科薬科大学 遠藤史郎教授
「今までは専用の病床で見ていればそこで全部完結できたんですけど、一般の病床にも以前よりも、コロナが入り込みやすくなる。対策を取って広がらないようにするんですけど、ある程度の確率で広まってしまうというのは、医療機関にとっては負担になる」

また治療費やワクチン接種費用について、これまでのような手厚い公費支援がなくなるため、受診する側が二の足を踏むのではと指摘します。

東北医科薬科大学 遠藤史郎教授
「薬代も結構な額になると思う。抗ウイルス薬の種類にもよりますけど1万5千円から3万円くらい薬代だけでかかってしまう。そうするとそんなに症状がひどくなければ高いお金を払ってまではという方は結構出てくるのではないかと思っている。オミクロンになって症状が比較的以前よりも強くなくなってきたので、病院にかからない人たちが今後増えていく」

特に若者は5類移行後、ワクチン接種をしていない人が多く、公費支援が大幅減になる4月以降、接種率がさらに下がるのではないかということです。専門の相談窓口がなくなり不安な人はかかりつけ医や自治体への相談が有効だということです。

東北医科薬科大学 遠藤史郎教授
「持病など抱えている人たちは、前もってかかりつけの先生に相談しておくことが大切。急に体調が悪くなった時には救急車という手段もあるが、救急車を呼ぶかどうか迷う時には、判断を補助してくれる相談できるダイヤルが宮城県にある」


今は治療法もさまざまあるので再び流行しても慌てずに、正しい情報を得て冷静に行動してほしいということです。