落雷害は、一年の内で8月が一番多いですが、月別に見ると、4月〜10月は太平洋側で多く、11月〜3月は日本海側で多くなります。雷はときに、命にもかかわる危険な現象です。雷鳴が聞こえたらどのように行動すべきかまとめました。

落雷害 太平洋側は4月からぐっと増える

先日4月3日は、前線を伴った低気圧の影響で九州南部などで大気の状態が非常に不安定となり、あちらこちらで落雷が発生。宮崎市では学校のサッカーグラウンドで落雷事故、また宮崎空港から羽田空港に向かっていた飛行機に雷が2回直撃するなど被害がでました。

2005年〜2017年の12年間に気象官署から報告のあった落雷害の数は、1,540件でした。落雷害のうち約30%(468件)が8月に集中しています。また、発生地域の特徴を見ると、太平洋側で約65%、日本海側約35%が発生しています。月別に見ると、4月〜10月は太平洋側で多く、11月〜3月は日本海側で多いことがわかります。

この時期は、暖かい空気と冷たい空気が本州付近でせめぎ合い前線が発生。前線付近では大気の状態が非常に不安定となり、積乱雲が発達しやすくなります。また、地上の気温が上がる一方、上空にはまだ冬の名残の寒気が一時的に南下する場合も、大気の状態が不安定となり落雷が起こりやすくなります。

来週半ば10日(水曜日)を中心に、冬の名残である上空の寒気が南下する予想になっています。このため、大気の状態が非常に不安定となるため、落雷には注意が必要です。

雷の前兆

画像B

雷の前兆として「急に真っ黒な雲が近づいてくる」「雷鳴が聞こえる」「稲光が見える」「急に冷たい風が吹く」といった天候の急変が挙げられます。

このような前兆を感じたら、すぐに鉄筋コンクリートなど頑丈な建物の中、自動車内、避雷小屋など安全な所へ避難してください。また、雷注意報が発表されている時や、天気予報で「大気の状態が不安定」、「天気が急変」という言葉を聞いた時は注意が必要です。

雷鳴に注意する

画像C

雷はときに、命にもかかわる危険な現象でもあります。雷鳴が聞こえたらどのように行動すべきか知っておきましょう。

雷鳴は遠くに聞こえても、雷を伴う積乱雲は移動する速度が時速40kmになることもあり、すぐに近づいてくる可能性があります。
雷を伴う積乱雲は10km程度の大きさの場合もあり、雷鳴が聞こえたときにはすでに雷雲の下にいることもあります。

落雷のリスクが大きい場所から離れる

画像D

開けた平らな場所にいて、周囲のものよりも自分が高くなると危険です。
校庭、テニスコート、ゴルフ場、田畑、河川敷、海水浴場(海上含む)、プールなどに居る場合は急いで避難しましょう。
身に着けている時計、アクセサリー、眼鏡などの金属類を外しても落雷を阻止する効果はほとんど変わりません。

軒下、高い木の下での雨宿りは避ける

画像E

軒下で雨宿りせず、建物から4mは離れるようにしてください。
高い木近くは側撃雷を受ける可能性があります。最上部を45度の角度で見上げられる距離まで離れてください。

野外などで、避難できる場所が近くにない場合は、しゃがみ込んで、耳をふさぐ姿勢を取りましょう。靴のかかとを接触させ、つま先立ちで姿勢を保つようにしてください。
落雷時に地面からの電流で感電することがあります。地面に寝ころばない(特に腹ばい)ようにしてください。