調布国際音楽祭、今年で12回目を数える。テーマは「MUSIC WITHOUT BORDERS」、多様な音色とともに世界中のアーティストたちが調布に集結。
調布の街は、東京の郊外都市で新宿から京王電鉄で15分の人口24万人のベットタウンであるが、日本有数の音楽大学、桐朋学園音楽学部を有し演奏家人口も多く、また、映画映像産業企業が集積することの両面から、アート都市でもある。昨年の音楽祭では、50回近い公演に、740名の出演者、13000名近い観客が訪れた。

鈴木優人がエグゼクティブ・プロデューサーを、バッハ演奏の第一人者として名声を博す鈴木雅明が監修を務めるクラシック音楽の祭典「調布国際音楽祭2024」の公演プログラムが決定され、その記者会見が2月29日に調布駅前にある調布市グリーンホールで行われた。
会見の舞台上にはピアノが2台。そこへ、調布出身のふたり、音楽祭エグゼクティブ・プロデューサーの鈴木優人とアソシエイト・プロデューサーの森下唯が登壇し、調布にゆかりのある漫画家・水木しげるの有名な漫画『ゲゲゲの鬼太郎』のアニメ主題曲を2台のピアノで奏で始める。

会場が和やかな雰囲気になったところで、音楽祭監修の鈴木雅明(調布在住)も登壇し、会見がスタート。調布市文化財団の宇津木光次郎常務理事より主催からの挨拶。

「調布国際音楽祭は2013年にスタートしまして、今年で12回目となります。バッハの演奏、アートとの連携、次世代への継承を行ってまいりました。
鈴木優人さん、森下唯さん、多くの音楽家の方々の多大なるご協力、世代、ジャンルを超えて、身近にアートを、音楽を。音楽祭も定着してまいりました。2023年の観客動員数は15000人を超えました。子供たちに豊かな音楽、国際交流も行ってきました」とコメント。

そして、監修の鈴木雅明が挨拶。
「肩を怪我しまして、6月には治っている予定です(と、左腕のギブスを見せる)。12年前から始まった音楽祭、今年も開催、素晴らしいことです。調布駅前も再開発され、音楽ができるホールも集まっている、毎年開催され、コロナ禍でも工夫を重ねて乗り越えてきました。『音楽に国境はない』、『MUSIC WITHOUT BORDERS』がテーマ、音楽の持っている力、音楽は生きる糧、ご飯のようです。子供から大人まで、ボランティア、交流の多さ、今年も皆様の協力を仰ぎながら、よい循環を生んでいると思います。」
続けて、エグゼクティブ・プロデューサーの鈴木優人
「毎年の調布の花火大会と同じく、音楽を打ち上げるのが音楽祭、今年で12年目、皆さまに感謝です。たくさんの人が街を訪れ、いろんな人とつながる、音楽でつながるという提案が音楽祭。平和、「アンサンブル」はフランス語で『一緒』という意味ですが、大好きな言葉です。調布の街で知り合う、ここでこういうお祭りができるのは幸せです。来てくれた人が『また、来たい』と思っていただけるように」

アソシエイト・プロデューサーの森下 唯
「音楽祭を社会のために。優人さんはいろんな活動をしていらっしゃる、音楽祭は実験的な内容もあります。どう音楽を届けるのか、チームになったことを非常に感じます」

鈴木優人より演目の企画概要の説明からいくつか、、、。

ワークショップ「新しい音楽をつくる」Vol.3
「大人気の企画。調布出身の金子仁美(作曲)さん始め、細川俊夫(作曲)さん、藤倉 大(作曲)さんetc.曲を作るとはどういうことかを考えます。ゲストにダンサーの黒田育世を迎えますが、ダンスの音楽などを考えます」

次世代を担う若者が自作曲を持ち寄り、世界的に活躍する作曲家や優れた演奏家からアドバイスを受けつつ実演するワークショップ。音楽や演奏についての新たな視点が得られる、笑いあり、納得あり、充実の150分です。
6/15(土)18:00 150分公演
せんがわ劇場(全席自由)
出演:金子仁美(作曲)、細川俊夫(作曲)、藤倉 大(作曲)、鈴木優人(モデレーター)、
辺見康孝(ヴァイオリン)、大石将紀(サクソフォン)、鈴木慎崇(ピアノ)
ゲスト:黒田育世(ダンサー)
作曲家募集中
このワークショップに作品を提出してくださる作曲家を募集します。
申込期間:〜3/10(日) 申込方法:調布国際音楽祭HPより

オープニング・コンサート〜情熱のボレロ!華麗な吹奏楽の祭典〜
「W上野!星矢さんと耕平さん!」

輝かしい吹奏楽による圧倒的なボレロのリズム!上野星矢、上野耕平というトップスターが若者たちと繰り広げる夢の舞台は、夏の音楽祭の幕開けを告げるに相応しい熱狂を巻き起こすことでしょう。
6/16(日)14:00 120分公演
グリーンホール 大ホール(全席指定)
出演:鈴木優人(指揮)、上野星矢(フルート)、上野耕平(サクソフォン)、
桐朋学園大学シンフォニック・ウィンズ(吹奏楽)、
明治大学付属明治高等学校・中学校吹奏楽班(吹奏楽) ほか
♪ラヴェル:ボレロ(大橋晃一編) ほか

深大寺本堂に響くバロック・チェロ チェリスト上村文乃が今一番弾きたい音楽
「深大寺本堂に響くバロック・チェロ、発売日に完売!お早めに」

バロック・チェロとリュート、リコーダーによる温かな音色が深大寺本堂を満たします。
世界で活躍するチェリスト・上村文乃が今いちばん弾きたいバロック音楽を厳選した特別なプログラムを、特別な会場でお楽しみください。
6/19(水)①11:30 ②14:30 60分公演
※開演30分前から深大寺院内僧侶による天台聲明の詠唱あり
深大寺 本堂(全席自由/整理番号付)
出演:上村文乃(チェロ)、菅沼起一(リコーダー)、佐藤亜紀子(リュート)
♪ダッラーバコ:カプリス第11番
♪ボッケリーニ:チェロ・ソナタ第6番
イ長調 ほか

名手たちが奏でるシューベルトの名曲「ます」
「貴重な公演です」

調布に集ったとびきりの名手たちによる一期一会のアンサンブルが実現します。いちどは聴きたいけれど、特殊な編成で意外と機会の少ないあの名曲「ます」をはじめ、心弾む曲目を極上の演奏でお届けします。
6/20(⽊)13:00 120分公演
文化会館たづくり くすのきホール(全席指定)
出演:上野星矢(フルート)、森下 唯(ピアノ)、白井 圭(ヴァイオリン)、岡本誠司(ヴァイオリン)、成田 寛(ヴィオラ)、山本 徹(チェロ)、石川 滋(コントラバス)
♪ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第4番 ハ短調 Op.18-4
♪モーツァルト:フルート四重奏曲第1番 ニ長調 K.285
♪シューベルト:ピアノ五重奏曲 イ長調 D677「ます」より 第4楽章

村治佳織&村治奏一 ギターデュオ・リサイタル 『夜明け』
「村治佳織&村治奏一、デュオで『夜明け』を」

調布国際音楽祭のレギュラーメンバーとなりつつあるギタリスト・村治佳織が、今年は各地で評判を呼んでいる村治奏一とのデュオで登場します。息の合ったふたりならではのくつろいだ雰囲気の中、胸に染みる古今の名曲をお届けします。
6/20(木)19:00 120分公演
文化会館たづくり くすのきホール(全席指定)
出演:村治佳織(ギター)、村治奏一(ギター)
♪ブラームス:弦楽六重奏曲第1番 ニ短調 Op. 18bより 主題と変奏
♪マリアネッリ(牟岐 礼編):映画「プライドと偏見」より 『夜明け』 ほか

「ある晴れた日に」 森麻季ソプラノ・リサイタル

歌姫と呼ぶに最も相応しいソプラノ・森麻季が5年ぶりに調布国際音楽祭の舞台に帰ってきます。今年は特別ゲストのオーボエ・古部賢一との稀有な共演も実現。なんど聴いてもため息が出るほど美しいその歌声、聴き逃す手はありません。
6/21(金)14:00 120分公演
グリーンホール 大ホール(全席指定)
出演:森 麻季(ソプラノ)、山岸茂人(ピアノ) ゲスト:古部賢一(オーボエ)
♪プッチーニ:「蝶々夫人」より ある晴れた日に、さよなら坊や ほか

新作ダンス公演
ちいさな死神くんとあの木の上のお星さま
「振付が新しくなります。市民ダンサーも出演します」

6/21(金)19:00 6/22(土)①14:00②18:00 6/23(日)14:00
せんがわ劇場(全席指定)
振付&演出:黒田育世
出演:小出顕太郎、BATIK、松本野々花、公募ダンサー、黒田育世
♪J. S.バッハ:無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ第2番 ニ短調 BWV 1004 ほか
※演奏は音源を使用します。

将棋×音楽 スペシャルコラボイベント 駒音に耳をすませて
「これは個人的に目玉です。実は将棋が大好きなんです。本当に将棋をやります!前代未聞、交渉には苦労しました」
将棋と音楽が驚愕のコラボ!?一流棋士たちをゲストに招き、盤面によって展開の変わる生演奏をバックに行われる緊迫の早指し対局や、次の一手クイズ、リクエストコーナーに異業種トークバトルなど、誰もが楽しめるお祭り公演。
6/21(金)18:30
文化会館たづくり くすのきホール(全席指定)
出演:鈴木優人(ピアノ)、森下 唯(ピアノ)、廣津留すみれ(ヴァイオリン)、中島章博(フルート)、
佐藤天彦(棋士)、香川愛生(棋士)、青嶋未来(棋士)

★キッズ公演★
アフラックpresents
子どもスペシャル!
せかいは音でいっぱい!栗コーダーカルテット&山口とものピロピロ?ドコドコ!コンサート
「舞台上に楽器を目一杯!」

おなじみ、いつでも愉快な栗コーダーカルテットが、今年はなんでも打楽器にしてしまう廃品打楽器奏者・山口ともとコラボして、くすのきホールを不思議な音色でいっぱいにします。音のおもしろさ、奏でる喜びが弾ける60分。
6/22(土)13:00 60分公演(休憩なし)
文化会館たづくり くすのきホール(全席指定)
※0歳から入場可、2歳以下ひざ上無料
出演:栗コーダーカルテット、山口とも
♪栗原正己:小組曲「ピタゴラスイッチ」
♪ニューマン:映画「トイ・ストーリー」より 君はともだち ほか

フェスティバル・オーケストラ 鈴木雅明の「幻想交響曲」
鈴木雅明「革新的、これを指揮するとは思わなかった!エグゼクティブ・プロデューサーのたっての願いで折れました(笑)。楽しい企画です」

鈴木雅明の新境地、ベルリオーズ!毎年、必ず新鮮な驚きと興奮を巻き起こしているフェスオケ。今年はピアニスト・阪田知樹を迎えたベートーヴェンの協奏曲第4番と、問題作にして大傑作「幻想交響曲」という意欲的プログラムで、目が離せません!
6/22(土)15:00 120分公演
グリーンホール 大ホール(全席指定)
出演:鈴木雅明(指揮)、阪田知樹(ピアノ)、調布国際音楽祭フェスティバル・オーケストラ(管弦楽)
♪ヴィヴァルディ:「調和の霊感」より 4本の弦楽器のための協奏曲 ロ短調 RV 580
♪ベートーヴェン:ピアノ協奏曲第4番 ト長調 Op.58
♪ベルリオーズ:幻想交響曲 Op.14
<オーケストラ団員募集>
リハーサル: 6/18(火)〜6/21(金)17:30〜21:00(予定) 費用:20,000円
申込期間:3/20(水)〜4/18(木) 申込方法:調布国際音楽祭HPより

鈴木優人×イザベル・ファウスト NHK交響楽団 in Chofu

世界を魅了するヴァイオリニスト、イザベル・ファウストのベートーヴェンが聴けるのは今シーズン調布国際音楽祭だけ!NHK交響楽団が待望の再登場、鈴木優人の指揮でバッハからシューベルトまで正統派プログラム。
6/23(日)14:00 120分公演
グリーンホール 大ホール(全席指定)
出演:鈴木優人(指揮)、イザベル・ファウスト(ヴァイオリン)、NHK交響楽団(管弦楽)
♪ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 Op.61
♪J. S.バッハ(ウェーベルン編):リチェルカータ(「音楽の捧げもの」より 6声のリチェルカーレ)
♪シューベルト:交響曲第5番 変ロ長調 D 485

バッハ・コレギウム・ジャパン 音楽の捧げもの
「指揮はもちろん鈴木雅明!」
バッハの芸術の到達点のひとつにも数えられる『音楽の捧げもの』を含む、魅惑的なオール・バッハ・プログラム!BCJの精妙にして自在な器楽アンサンブルを味わい尽くす、調布国際音楽祭フィナーレならではの贅沢な公演です。
6/23(日)18:00 120分公演
グリーンホール 大ホール(全席指定)
出演:鈴木雅明(指揮)、バッハ・コレギウム・ジャパン(管弦楽)
♪J. S.バッハ:
ブランデンブルク協奏曲 第1番 ヘ長調 BWV 1046
「音楽の捧げもの」より 3声のリチェルカーレ
「音楽の捧げもの」より 6声のリチェルカーレ(鈴木優人編)
ブランデンブルク協奏曲第3番 ト長調 BWV 1048
管弦楽組曲第4番 ニ長調 BWV 1069

★キッズ公演★
たたいてあそぼう2024
「音楽祭の第一回からやっています。学生さんのオリジナルなアイディアです」
6/23(日)①11:00 ②14:00 60分公演(休憩なし)
文化会館たづくり むらさきホール(全席自由)
出演:桐朋学園大学打楽器専攻
※詳細は後日発表

布多天神社できくグランドピアノ Vol.3
神楽殿にグランドピアノを運び、境内から無料で観覧できるコンサート。野外フェス感とともに、ベヒシュタインの明るい音色を味わってください。
6/17(月)16:30 45分公演
布多天神社 神楽殿 (全席自由)
料金:無料
出演:フェスティバル・オーケストラ選抜メンバー、森下 唯(ピアノ・司会)、鈴木優人(ピアノ・司会)
※詳細は後日発表

☆無料公演☆
毎年好評の、音楽祭を彩る市民音楽家によるコンサートです。
【ミュージックカフェ】
「本当にカフェ営業します!」
ホール内で飲食しながらゆっくりと演奏を楽しめます。カフェの営業もあります。
6/16(日)、6/22(土)、6/23(日) グリーンホール小ホール
【オープンステージ】
エントランス内を行き交う人々が自由に演奏を楽しめます。
6/22(土)、6/23(日) 文化会館たづくりエントランスステージ
【ウェルカムコンサート】
6/16(日)、6/22(土)、6/23(日) グリーンホール前(屋外)
<出演者募集>
対象:音楽大学生程度の実力を有する個人または団体 ※クラシック音楽以外のジャンルも可
申込期間:3/20(水)〜4/18(木) 申込方法:調布国際音楽祭HPより

このほか、調布市内でサテライトコンサートを予定しています。 ※詳細は後日発表

ピアニスト体験@エントランスステージ
文化会館たづくり1階のエントランスステージ上にベヒシュタイン・ジャパン製のピアノを設置します。どなたでも演奏できる貴重な機会です!
料金:無料

一通りの説明が終わり、質疑応答の時間、フェスティバルオーケストラについての質問が出た。
「近年世界中から参加します。今年はシンガポールの音大から100名近い応募があるということです」と鈴木優人、森下唯は「音大生などの区切っておりません。高校生もいます」また事務局からは「中学生から20代、30代も、一応35歳以下で募集しております」と回答、鈴木優人から補足説明「意図的に曖昧にしています」と回答。また、新しい企画「将棋と音楽」についての質問が出た。「ボーダレス、最後はみんなでフィナーレ(果たして)会場にどのくらい将棋好きな人が来るかな?」と鈴木優人。そして時間になり、会見は終了した。

調布国際音楽祭2024 スタッフ
エグゼクティブ・プロデューサー:鈴木優人
アソシエイト・プロデューサー:森下 唯
監修:鈴木雅明
コミュニケーション・アドバイザー:平野敬子
主催:公益財団法人調布市文化・コミュニティ振興財団、調布市
特別協賛:アフラック生命保険株式会社
後援:京王電鉄株式会社
協力:桐朋学園大学
制作協力:公益財団法人ジェスク音楽文化振興会
マネジメント:有限会社バッハ・コレギウム・ジャパン

公式サイト:https://www.chofumusicfestival.com/