朝からの雨で宇治山田商vs中央学院の試合が翌日に順延となり、午後から2試合の実施となった大会第7日目。強いインパクトを残したのは今年のドラフト候補ではなく、いずれも2年生ながら健大高崎の投手陣を支える佐藤龍月と石垣元気の2人だ。

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  佐藤は立ち上がりから本調子ではなく、3回まで毎回走者を背負い、それまでに61球を投じる苦しい投球となったが、尻上がりに調子を上げ、1回戦と同様に7回を無失点としっかり試合を作った。踏み出した右足がかなり一塁側にクロスし、そのことによってボールの角度が生まれているが、一方でバランスも崩れやすい諸刃の剣という印象を受ける。それでもカーブ、スライダー、チェンジアップの変化球を上手く操り、悪いなりの投球でもレベルが高い。もう少しフォームに安定感が出てくれば、さらに攻略困難な投手となりそうだ。
  一方の石垣は8回からリリーフし、2回無失点(1安打1四球3奪三振)の好投で試合を締めた。まだ立ち上がりは少しコントロールが不安定なところはあるが、ストレートの最速は今大会のトップに並ぶ149キロをマーク。平均球速も140キロ台中盤を記録するなど、出力の高さは3年生を含めてもトップクラスである。4点のリードでの登板ということもあってストレートの割合が非常の多かったが、スライダーとフォークでもしっかり腕が振れ、ボールの質は高かった。このまま怪我なく順調に成長すれば、2025年の上位候補となる可能性は高いだろう。

 健大高崎の3年生では注目されたショートの田中陽翔、キャッチャーの箱山遥人が少し攻守に精彩を欠いたが、その一方で光るプレーを見せたのが3番・セカンドの高山裕次郎だ。昨秋まではセンターだったとは思えない軽快な守備で度々投手を救い、打撃でも1安打+1犠打と、しっかりチャンスを広げる役割を果たした。173cmと決して大柄ではないものの身体の強さがあり、強肩とパンチ力が光る選手でもある。内野も外野も守れる器用さも魅力で、大学や社会人を経由してプロ入りを狙える素材と言えるだろう。

構成●THE DIGEST編集部

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