今季も数多くの侍メジャーリーガーが世界最高の舞台で戦う。チームにおける立場や期待度も違うそれぞれ中、一人一人の「2024年のノルマ」を設定してみた。

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▼大谷翔平(ドジャース)
「リーグまたぎで2年連続のホームラン王」

 昨季はア・リーグ最多の44本塁打を放ち、日本時代も含めて初の打撃タイトルを獲得した。マット・オルソン(ブレーブス)の54本を筆頭に40ホーマーが5人いたナ・リーグへ移り、どれだけ数字を伸ばせるか注目が集まる。両リーグでの本塁打王獲得となれば史上4人目で、2年連続なら史上初の快挙だ。実現すれば、DHとしては前例がないMVP受賞も見えてくるはず。今季は打者に専念するだけに、春季キャンプで積極的に取り組んだ走塁面での貢献度向上もカギを握りそうだ。

▼ダルビッシュ有(パドレス)
「エース返り咲きでローテーションを牽引」

 新たに6年契約を結んで迎えた昨季だったが、決め球のスライダーを被打率.432と打ち込まれ、右肘を痛めてひと足早くシーズンを終えるなど、悔しさの残るシーズンだった。メジャー12年目を迎えた今季は4度目の開幕投手を任され、最初の2先発で8.2回を1失点とまずまずのスタート。サイ・ヤング賞投手ブレイク・スネルが抜けた先発陣を牽引し、防御率を2022年の3.10に近い水準まで戻したい。日本人投手では史上初のメジャー通算2000奪三振達成にも期待がかかる。

▼鈴木誠也(カブス)
「打率3割&30本塁打クリアで打線の中心に」

 メジャー仕様の肉体改造を施して着実にステップを踏んだ昨季から、真価が問われる3年目のシーズンを迎える。さらなる成長を示すには、オフに元チームメイトの丸佳浩(巨人)から課された「打率3割」と「30本塁打」がターゲットか。昨季は両リーグで4人のみがクリアした高いハードルだが、後半戦67試合での.313、13本塁打ペースをシーズン全体で維持できれば届く。自身初のポストシーズン進出へ向けても、主軸の働きを果たしたい。▼菊池雄星(ブルージェイズ)
「防御率3点台前半で堂々とFA市場へ」

 昨季はメジャー5年目でいずれも初の規定投球回到達&2ケタ勝利を記録し、防御率も自己ベストの3.86を記録。与四球率も前年の5.19→2.58に改善されるなど、安定感も増した一方で、課題の一発病は完全克服とはいかなかった。メジャー6年目、FA権を取得する節目のシーズンでさらに信頼度の高い投球を披露できれば、オフの市場でも好条件を獲得できるだろう。

▼前田健太(タイガース)
「メジャー1年目以来の規定投球回到達」

 トミー・ジョン手術から復帰したばかりの昨季は21試合に登板して防御率4.23。完全復活とは言い難い結果だったが、新天地で迎える今季は質量ともに本領発揮が期待される。1年間ローテーションを守ってメジャー1年目の15年以来の規定投球回に到達できれば、若手の成長で台風の目と注目されるチーム全体もさらに勢いづくはず。新しく取り組んでいるスイーパーも要注目で、シーズン初登板では打ち込まれたものの、今後の巻き返しに期待したい。

※後編に続く

文●藤原彬

著者プロフィール
ふじわら・あきら/1984年生まれ。『SLUGGER』編集部に2014年から3年在籍し、現在はユーティリティとして編集・執筆・校正に携わる。X(旧ツイッター)IDは@Struggler_AKIRA。

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