2年連続でダントツ地区最下位に低迷、ラスベガス移転をめぐるゴタゴタ、ファンの“逆ボイコット運動”など、ネガティブな話題ばかりが続くアスレティックスでまたも事件が起きた。

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 開幕早々、若き盗塁王エステウリー・ルイーズがマイナーへ降格したのだ。

 ファンが困惑するのも無理はない。ルイーズはブルワーズからトレードで加入した昨季、いきなりア・リーグ新人記録となる67盗塁を決めてタイトルを獲得。低迷続きのチームで数少ない光明となり、今季も開幕3試合で7打数3安打、うち長打が2本と好スタートを切っていたからだ。

 不可思議にも思えるこの措置について、マーク・コッツェイ監督とデビッド・フォーストGMは「3Aで継続的に出場しながら課題の三振減少と出塁率向上に取り組んでもらうため」と説明。「3Aに長くとどまることはないだろう」とも語っている。

 昨季の出塁率は.309で、リードオフとしては物足りない水準だったのは確か。だが、SNSではルイーズのマイナー降格をめぐってある「陰謀論」が囁かれている。 かつて球団と提携していながら、その後関係が悪化した「Last Dive Bar」というブランドのリストバンドを、開幕シリーズでルイーズが着用していたからではないか、というものだ。

 荒唐無稽のように思えるが、現地ファンからは「あのオーナーならやりかねない」との反応も少なくない。ジョン・フィッシャー・オーナーはオークランドから移転するため、主力選手を次々に放出して意図的にチームを解体。チケット販促活動なども一切行わないなど、ファンの心情を逆撫でする行動の連続で地元との関係が決定的に悪化してしまった。

 3月28日の開幕戦の観客動員はわずか1万3522人。翌日からは3837人、5425人、4118人とメジャーリーグのチームとは思えない惨状が続いている。ルイーズ降格の理由が本当にリストバンドのせいだとはさすがに思えないが、ファンが勘ぐりたくなる気持ちも理解できなくはない。

構成●SLUGGER編集部

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