現在開催中の男子テニスツアー「イタリア国際」(5月8日〜19日/イタリア・ローマ/クレーコート/ATP1000)は、現地11日にシングルス2回戦が行なわれ、今季限りでの現役引退を示唆している元世界ランク1位のラファエル・ナダル(スペイン/現305位)が登場。第7シードのフベルト・フルカチュ(ポーランド/同9位)にストレートで敗れた。

 過去14回優勝している「全仏オープン」(5月26日〜6月9日/フランス・パリ/クレーコート/四大大会)を目前に控え、少しでも調子を上げていきたいナダル。

 だがトップ10選手であるフルカチュのパワーに思うように試合を運べず。第1セットは1-1から一気に5ゲームを奪われ1-6とされると、続く第2セットもサービスを2度にわたりブレークされるなど3-6と圧倒されて試合終了となった。

 ナダルは輝かしいキャリアでおそらく最後となるローマで、ファンに別れを告げセンターコートを後にした…。だが、別れはこれで終わりではなかった。何千人ものファンがセンターコートの外をびっしりと埋め尽くし、試合を終えたナダルが出てくるのを待っていたのである。

 そして通路にナダルが姿を現すと一斉に「ラファ、ラファ」の大歓声と拍手が沸き上がり、これにレジェンドは手を振って応えたのである。

 会場を出たナダルはその後、自身のインスタグラムに様子を公開するとともに「ありがとうローマ、ありがとうイタリア」とファンに向けて感謝のメッセージを綴った。
  ローマの次に待っているのは、26日から開幕する「全仏オープン」である。前人未到の14勝を誇る“赤土の王者”は、果たしてローランギャロス(全仏会場)のコートに姿を現すのか。

 11日の試合後ナダルは「想像できるように、今日の私の心では、その決断は明確ではありません。でも、もし私の気持ちがどちらかに傾いているかといえば、ローラン・ギャロスに出て、ベストを尽くしたいと考えています。身体的にはいくつか問題がありますが、テニス人生で最も重要な大会に出られないと言うほどではないでしょう」とした。

 過去、何度も障壁を乗り越えてきたことで「鉄人」とも称されるナダル。多くのファンがパリのクレーコートで躍動する姿を夢見ている。

構成●スマッシュ編集部

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