2024年のF1は6戦を終えた。ビザ・キャッシュアップ・RB(以下RB)の角田裕毅は、ここまで予選では4度のQ3進出(最高8番手)、決勝では3度、スプリントでは1度の入賞圏フィニッシュを果たして14ポイント(ランキング10位)を得るなど、中団チームのドライバーとしては目覚ましい結果を残している。

 今週末からは彼やチームにとってのホームレースのひとつとなるエミリア・ロマーニャ・グランプリ、そして伝統のモナコGPと、欧州での2連戦を迎えることになるが、その前にスポーツ専門サイト『sportskeeda』は、現時点での「2024年F1ドライバー・トップ10」を独自の評価指標(平均採点)によって選定。ここでも角田はトップ10に割り込み、8位にランクインした。順位は以下の通りだ。
 1位:マックス・フェルスタッペン(レッドブル) 8.83点
2位:シャルル・ルクレール(フェラーリ) 8.33点
3位:ランド・ノリス(マクラーレン) 8.17点
3位:エステバン・オコン(アルピーヌ) 8.17点
5位:カルロス・サインツ(フェラーリ) 8.10点
6位:フェルナンド・アロンソ(アストンマーティン) 7.75点
7位:ニコ・ヒュルケンベルク(ハース) 7.67点
8位:角田裕毅(RB) 7.33点
9位:セルジオ・ペレス(レッドブル) 7.08点
10位:ジョージ・ラッセル(メルセデス) 7.00点

 実際のコンストラクターズ・ランキングで上を行くドライバーたちを4人も上回って8位につけた角田について、同メディアは「彼はRBの比較基準となっており、このレッドブルの姉妹チームでもしっかり自身の役割を果たし、良い結果を出してきた。そして今季も、幾つか印象的なパフォーマンスを発揮している」との寸評を綴っている。 このように国外のメディアから高い評価を下されている23歳の日本人ドライバーに対しては、当然ながらチームからも賛辞が寄せられており、レッドブルのヘルムート・マルコ顧問は、見事に7ポイントを獲得した直近のマイアミGPの後、オーストリアのモータースポーツ専門メディア『SPEEDWEEK.COM』にて、「ユウキは一貫して速いタイムを出し続けた」とレースでのパフォーマンスを称賛した後、以下のように続けた。

「彼は確実に調子が上向いている。これには、(週末を通して低調なまま最後はリタイアに終わった第5戦の)中国GPを除く必要がある。あれは、車かドライバーの問題かを判断するのが難しく、最初のラップからスピードが全く出ていなかった。しかし、他のレースで見せたような走りを続ければ、それは彼にとって確実に良い“推薦状”となるだろう」

 また、RBのチーム代表であるローラン・メキーズは、「ユウキは今季、大きな進歩を遂げた。今では、我々の知っている生来のスピードが、さらに高まっている。彼はフリー走行の最初のセッションからレースまで、週末をミスなく遂行できるドライバーになった。彼には、今後もさらなる進歩があるだろう。ゆえに我々は、彼が能力を発揮できる環境を整えるよう努めている。彼の働きには非常に感銘を受けている」と、信頼を寄せた。
  ここまでポジティブな話題に包まれている角田は、当然ながらドライバー市場においても注目される存在であり、各国メディアでは様々な憶測や噂が飛び交っているが、彼はF1公式サイト『F1.com』で、「特別な関係にある」ホンダが2026年から連携するアストンマーティンにも言及しながらも、「空席がなければ可能性はありません」と冷静に語り、「レッドブルに留まるか、他の解決策もあるでしょう」と語っている。

 序盤からの安定したパフォーマンスが、こうした語りからも彼に自信と落ち着きを与えていることが窺えるが、現在までの調子を周囲の期待通りに今後も維持していけるかが要注目である。

構成●THE DIGEST編集部

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