男子テニスツアー「イタリア国際」(5月7日〜19日/イタリア・ローマ/クレーコート/ATP1000)は現地19日にシングルス決勝を実施。第3シードのアレクサンダー・ズベレフ(ドイツ/世界ランク5位)が第21シードのニコラス・ジャリー(チリ/同24位)を6-4、7-5のストレートで下し、同大会7年ぶり2度目の優勝並びにツアー通算22勝目を飾った。

 ズベレフにとっては、2022年の全仏オープンで負った右足首の大ケガからの復帰後最大のカテゴリーでのタイトル獲得。四大大会に次ぐマスターズ1000シリーズではこれが6度目の優勝となる。決勝では、過去4勝2敗と勝ち越しているジャリーを相手に立ち上がりから安定したプレーでサービスゲームキープを継続すると、終盤の第10ゲームで値千金のブレークに成功して第1セットを先取する。

 シーソーゲームとなった第2セットでもズベレフは、持ち前の粘りのディフェンスでジャリーの強打を封じ込めながら相手に流れを渡さない。第10ゲームでの2度のマッチポイントはいずれも取り損ねたズベレフだったが、最終第12ゲームで取得したマッチポイントは2回目でしっかりと生かし切り、1時間41分で粘るジャリーを振り切った。

 アンフォーストエラーをわずか5本に抑えるとともに、ファーストサービスが入った時のポイント獲得率は、驚異の95%をマークするなど終始試合をコントロールしたズベレフ。当時20歳だった17年に殊勲のマスターズ初優勝を手にした思い出のローマで再び頂点に立った27歳の名手は、勝利者インタビューで次のように喜びを語った。
 「初めてのマスターズ優勝、さらには復帰後初のマスターズのタイトル獲得もこのローマで成し遂げたわけだから、ここは僕にとって非常に特別な舞台だ。本当に特別な1週間だった」

 続いてズベレフは、準々決勝で世界8位のステファノス・チチパス(ギリシャ)を逆転で破るなど快進撃を続けてきた対戦相手のジャリーに対し、次のように称賛の言葉を口にした。「彼は素晴らしいプレーをしている。今週彼がここで倒した選手を見ればわかるだろう。このまま(質の高い)プレーを続けていけば、このようなレベル(の大会)でも多くのチャンスがあるだろうと彼に伝えた。今日は勝者になれてとてもうれしいよ」

 1週間後に開幕する今季2つ目の四大大会「全仏オープン」(5月26日〜6月9日/フランス・パリ/クレーコート)に向けて弾みを付けたズベレフ。この勢いのままローランギャロスでのグランドスラム初制覇を大いに期待したい。

文●中村光佑

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