女子プロレスの新団体「マリーゴールド」が旗揚げ戦となる『Marigold Fields Forever』5.20東京・後楽園ホール大会を開催した。スターダムの創設者であるロッシー小川氏が昨年スターダムを退団すると、今年に入りジュリア、林下詩美、MIRAI、桜井麻衣、ビクトリア弓月が追随する形でロッシー氏が代表となる新団体への合流を表明した。ここにフリーの高橋奈七永、元アイスリボンの石川奈青、さらにアクトレスガールズを退団した6選手が所属となり、旗揚げの日を迎えた。

 今大会のチケットは販売からわずか3時間で完売したという。スターダムの1強時代が続いてきた女子プロレス界にとっては、東京女子プロレスよりも上を行く期待値が高いと言っていいだろう。
  メインイベントでは、ジュリア&詩美のマリーゴールド最強タッグに、フリーの大物Sareeeと、初来日となる怪物系外国人レスラーのボジラがタッグを結成し対戦した。

 注目は旗揚げ発表会見に乗り込んで参戦を直訴したSareeeとジュリアの絡みだ。Sareeeは以前から「岩谷麻優、ジュリアとやりたい」と口にしており、岩谷とはスターダム4.27神奈川・横浜BUNTAI大会で対戦し、激戦の末に敗れている。しかし、Sareeeはフリーというフットワークの軽い立場を上手く利用して、団体の枠を跨いでマリーゴールド旗揚げ戦にも参戦してきた。

 この2人は激し過ぎるエルボー合戦を繰り広げるなど、熱を帯びた闘いを展開。ここに詩美も存在感を示そうと激しいファイトに加わっていく。

 だが、この試合で凄かったのはノーマークだったボジラだ。プロフィールには181センチ91キロと書かれていたが、100キロはありそう。ボジラというリングネームは『ゴジラ』がモチーフになっており、ファイトスタイルはまさに怪物レスラーそのもので、ジュリアや詩美をバッタバッタと倒していく姿にコアな後楽園のファンは大熱狂。ボジラ・コールが発生するなか、最後はボジラがセカンドロープから重爆ムーンサルトプレスでジュリアを圧殺すると、Sareeeがトドメのリストクラッチ式裏投げを放ちカウント3。Sareee&ボジラ組が勝利を収めている。 試合後、Sareeeは「マリーゴールド旗揚げ戦で勝利したSareeeです」と言うと、会場からブーイングが発生するも、構わずに「ジュリア、お前にずっとずっと会いたかったよ。闘いたかったよ。今日はタッグだったけど、まだまだウチら、こっからの始まりだよな? もっともっと、この女子プロレス界に熱い闘い残していくぞ! 付いてこれるのか?」と倒れているジュリアへの想いを口にした。

 ジュリアは「5年前にお前と闘ったことが忘れられなくてよ、お前のこと今日ボコボコにする夢まで見てんだよ。やっと会えたなあ。付いてこれんのか?ってお前。今の女子プロレス界、ウチらが引っ張っていかなきゃ誰が引っ張っていくんだよ」と威勢よく言い返すと、「だからよ、お前にひとつ頼みがあるんだよ。Sareee!私が負けて言うのもなんだけどさ、マリーゴールドに定期参戦してほしい」と、まさかの仰天プランを要求した。

 続けて、「私が感じたかったものを、ずっと感じたかった闘い。それは私だけじゃない。マリーゴールドの他の選手にも味あわせてやってほしいんだよ」と、後輩たちへの想いを窺わせる意外なリクエスト。それに対してSareeeは、「今日旗揚げした団体マリーゴールドの所属選手全員、片っ端からやってやるよ。お前、しっかり指導しとけよ」と、熱い注文をつけた。

 そのあと新設される赤いマリーゴールドワールド王座と、白いマリーゴールドユナイテッドナショナル(UN)王座のベルトがリング内に持ち込まれ、4人がベルトを引っ張り合いながら睨み合った。
  大会のエンディングでは、7.13東京・両国国技館大会でのビッグマッチが早くも決定。ロッシー代表は「勢いに乗って、どんどん進んでいきたい」という。また、ロッシー代表はこの日のMVPについて「ボジラでしょう」と即答した。同代表は「メーガン(・ペーン)っていたじゃないですか。ああいうタイプなのかなと思ったら少し違う。まだ20歳なんで、末恐ろしいですよ」と、思わぬ副産物の誕生に笑みを浮かべていた。

 注目の両国大会では「赤と白のタイトルマッチはやりたい」と語り、マリーゴールドの2大タイトルの初代王者決定戦を軸にカードが組まれることになりそうだ。最後に、「今日の大会はどうだったんですかね? 今日はマリーゴールドっていう、まだちょっとどういう団体か何とも定義付けはできないですけどね。それは次の試合、また次の試合で形ができてくるんじゃないと思います」と、まだまだ粗削りな部分を残しながらも歴史的な第一歩を振り返った。

 とはいえ、女子プロレスでは久々にフルサイズ仕様で超満員に膨れ上がった後楽園ホールに集まったファンの熱気を感じて、「期待度あったかな」とこぼしたロッシー代表。新団体への手応えを十分に掴んだようだ。

◆マリーゴールド◆
『Marigold Fields Forever』
2024年5月20日
東京・後楽園ホール
観衆 1539人(超満員札止め)
▼マリーゴールド最強タッグ伝説(30分1本勝負)
●ジュリア&林下詩美(28分06秒 片エビ固め)Sareee○&ボジラ
※リストクラッチ式裏投げ

文⚫︎どら増田

【動画】新団体「マリーゴールド」が華やかに旗揚げ!その一部始終をチェック
【マリーゴールド旗揚げ戦 PHOTO】ボジラ襲来!ジュリア&林下を軽々と持ち上げる!!|ジュリア&林下詩美 vs Sareee&ボジラ
 
【マリーゴールド旗揚げ戦 PHOTO】オープニングマッチ!高橋奈七永 vs ビクトリア弓月の戦いをプレーバック!!