テレビアニメ「ダンジョン飯」(毎週木曜夜10:30-ほか、TOKYO MXほか/ABEMA・ディズニープラス・Huluほかで配信)の第7話「水棲馬/雑炊/蒲焼き」が2月16日に放送された。地下4階へ到着したライオス(CV.熊谷健太郎)たちは、広大な湖で巨大なクラーケンに遭遇。解体中にはこれまた巨大な寄生虫を発見し、生食を敢行したライオスが腹痛に見舞われたことでXには「アニサキス」がトレンド入り。思いがけない反響を呼び込んだ。(以下、ネタバレが含まれます)

■センシになくてライオスにある魔物への線引き

色々あったおかげで多少遅いペースではあるものの、ライオスたちは順調に迷宮を踏破。広大な地下湖が広がる地下4階に到達した。次の階に降りるには湖を渡る必要があり、一行はマルシル(CV.千本木彩花)に水上歩行の魔法をかけてもらうことにする。戦闘に回復に、さらには補助魔法まで使いこなすマルシル。視聴者から“残念エルフ”と愛される愛嬌キャラだが、魔法に関しては何だかんだと頼りになるヒロインだ。

しかし、ここでひとつ問題が勃発。ドワーフらしく魔法をあまり好ましく思っていないセンシ(CV.中博史)が「いやじゃ――!」と魔法補助を拒否しだす。「人は安易な道へたやすく堕ちる 錆びるのは一瞬だが研ぎ直すには長い長い…」と良いことを言っていそうだが、ふんどしアングルで駄々をこねる姿はあまり画ヅラ的によろしくない。結局、強引に魔法をかけられたものの、今度は伸ばし放題のモジャ髪に魔物の血と脂が染み込んで、魔法の効果が浸透しないという始末。マルシルが話していたが、毛髪は魔術的にも大切なもの。手入れが悪い相手には補助魔法が効きにくいという一面があり、センシはまさにそれというわけだった。

あまりの汚さに水洗いでは落ちそうにもないと困るライオスたちをよそに、センシは自分のやり方で水上を渡ると宣言する。そこで取り出したのが前話で仕留めたミミックの殻。それで呼び寄せたのが、湖に住む魔物、水棲馬(ケルピー)だった。アンヌと名付け、長い付き合いだというが、魔物の本質をよく理解するライオスは、「魔物の本心は絶対に気付けない」と心配する。案の定その危惧は的中し、センシはケルピーの背に乗ったところを湖中に引きずり込まれていく。

ゴーレムに対してもだったが、融和を重んじるセンシは魔物にも自然とそれを求めてしまっている。対してライオスは魔物好きだが、それだけに理解も深く、大切なところで線引きを行っている。魔物に接する2人の違いがよく表れている場面であった。結果として、センシは止む無くアンヌを殺すことになり、その弔いとして食材へと解体する。寂しさを見せるような背中にマルシルも何かを感じたのか、ケルピーの脂をもらい、センシのためにお手製の石鹸を作ってあげるのだった。

■ライオスが美声を披露。CV.熊谷への絶賛も

センシとマルシルがケルピーを処理しているとき、ライオスとチルチャック(CV.泊明日菜)は湖面に浮かぶ冒険者たちの遺体を発見する。それは以前、地下3階で発見したカブルー一行だった。いつの間にか追い越されていたようで、どうやら人魚と相打ちになって死亡したらしい。そんな状況検分をしていると、チルチャックが不意に操られたようにフラフラと歩きだす。ライオスが止めてくれたおかげで事なきことを得たが、耳の良いチルチャックは人を誘う人魚の歌に惑わされてしまったらしい。

本来なら危険は避けるべきだが、ここで久しぶりにライオスがサイコパスぶりを発揮。まるでオペラ歌手のように歌いはじめ、人魚の歌に加わるというまともな人間には理解できない行動に出る。結局人魚は散り散りに逃げ、「また最後まで歌えなかった」と残念がるライオスだったが、知らない人が朗々と歌いながら近づいてくるのってかなり恐怖な光景じゃないだろうか。

ここのシーンには反響もひと際集まり、SNSには「さすが声優さん、良い声してる!」「ライオスの美声で笑った ビブラートエグすぎ」「ちょっと音程はずれてるのがライオスらしくて草」など、演じる熊谷への賞賛と共に多くのコメントが殺到する賑わいを見せていた。

■アニサキスがトレンド入りで公式Xが注意喚起

ふっさふさ髪になったセンシには魔法効果もテキメンで、一行は無事水上歩行で湖を渡ることに。しかし、一難去ってまた一難。今度は巨大クラーケンがライオスたちに襲いかかる。ぶ厚い外皮にはマルシルの爆破魔法も効かずピンチに陥るが、ここでセンシがクラーケンに水上歩行の魔法をかけるという作戦を思いつく。そして、湖面に打ち上げられたクラーケンの急所を突き、一撃で仕留める。ケルピーの一件で、少しだけ魔法の良さを実感したセンシのアイデアの勝利だった。

一方、仕留めた巨大クラーケンの体はというと、もちろん料理の食材に。ただ、巨大すぎるのが原因か、ひどくエグく、残念ながらとても食べられる味ではなったが、代わりに寄生虫という新たな食材をゲットする。「すごいすごい!」と目を輝かせながら、大きい魔物は寄生虫も大きいという変な雑学を仕入れるライオス。センシは手際よく寄生虫をさばき、蒲焼きと白焼きが出来上がる。マルシルも不承無承ながら認める美味さだったが、ライオスは生でもかじったとヤバイ発言を…。

魚介類で怖いのは寄生虫。巨大な寄生虫には小さな寄生虫が付いていたというのは言うまでもなく、食後、案の定ライオスは腹痛に見舞われることに。このシーンを受けて、Xでは「アニサキス」がトレンド入り。「アニサキス…一度やられてから胃が痛いと恐怖を覚える」「あの痛みを経験して以来、刺身が食べれなくなった」など、視聴者のアニサキス体験が数多く集まり出す。

また、「ダンジョン飯」アニメ公式Xは、「是非この機会にライオスのようにならないよう、寄生虫に正しい知識を持ち、気を付けて食べましょう(引用元ポストでは厚生労働省さんにより有効な予防策が示されていますので、是非ご参照ください)」と、厚生労働省のアニサキス予防策のポストを引用して注意喚起を実施。これにも「冒険ファンタジーから有益な情報提供」「寄生虫の危険性を学べるアニメ」「アニサキスは焼くことが大事!」など、視聴者からの反響が集まっている。

■<今週のレシピ>※原作より

そのへんに落ちていた大麦の雑炊(4人分):
大麦――200グラム
水――1000ミリリットル
塩――適量
ミミックの身――足1本
水草――お好みで

ジャイアントクラーケンについてた
ジャイアント寄生虫の蒲焼き&白焼き(4人分):
ジャイアント寄生虫――1匹
たれ
・醤油――100ミリリットル
・みりん――100ミリリットル
・砂糖――80グラム
・酒――40ミリリットル

■文/鈴木康道