映画や韓流、華流、歌舞伎、舞台など様々なジャンルの番組を放送するCS衛星劇場。2024年3月も、劇団・イキウメの前川知大が演出を務める「無駄な抵抗」、大人気漫画をミュージカル化した「聲の形」、日本初放送の中国ドラマ「七時吉祥〜エンドレス・ラブ〜」など話題作が目白押しだ。本記事では、春の訪れにふさわしい豪華な番組をピックアップしていく。

■劇団・イキウメ 前川知大の新作舞台「無駄な抵抗」

劇団・イキウメの前川知大と世田谷パブリックシアターが4年ぶりにタッグを組んで制作された「無駄な抵抗」。「散歩する侵略者」「獣の柱」「聖地X」といった超常的な世界観の作品を多く手掛けてきた前川が、池谷のぶえ、渡邊圭祐、松雪泰子実力派俳優陣と挑む意欲作だ。池谷のぶえは本作などで、第31回読売演劇大賞の最優秀女優賞を受賞している。

ギリシャ悲劇の大テーマ「運命」と「自由意志」を描いている同作。街に暮らすさまざまな属性の人々が関わり合い、“運命”を跳ねのけようともがいた末に衝撃的な結末を迎えることになる。

TV初放送となる同作では、本編終了後に前川知大、池谷のぶえ、渡邊圭祐のインタビューも放送。

(舞台「無駄な抵抗」ストーリー)
半年前、その駅には電車が停まらなくなり住民は困惑した。電車が通過するだけの駅に用はない。駅ビルは寂れ、駅前の広場も活気を失った。占い師として活躍していた桜(松雪泰子)は地元に戻りカウンセラーとして再出発することを決意する。

クライアントとして現れたのは、同級生の芽衣(池谷のぶえ)だった。芽衣は、かつて桜に言われた言葉に強く影響を受けているという。桜の言葉が、自分の性格や人生を決定づけ、苦しんでいると話す。あの言葉は予言であり、呪いだったと。そんな駅前広場で始まる2人のやりとりに、周りの人々は聞き耳を立てていた。

■TV初放送、劇場アニメ映画化に続いてミュージカル化された話題作「聲の形」

大今良時が描いた「聲の形」(講談社)は第19回手塚治虫文化賞新生賞などを受賞し、劇場アニメ映画化されたことでも大きく話題を呼んだ大人気漫画。先天性の聴覚の障がいを持つ西宮硝子へのいじめと、いじめの主犯として孤独になっていく石田将也の後悔を描いた衝撃的なストーリーは多くの耳目を集めた。

本作は、そんな大人気漫画をミュージカル化。日本版「FACTORY GIRLS 〜私が描く物語〜」をはじめ、「ヴァグラント」「フランケンシュタイン」などの演出を手掛けた板垣恭一が上演台本・作詞・演出を担当する。

主演はブロードウェイミュージカル「ピーター・パン」の山崎玲奈と、ボーイズグループ「NORD」のメンバー・島太星。

(イッツフォーリーズ公演 ミュージカル「聲の形」ストーリー)
石田将也はガキ大将気質の小学6年生。ある日、同じクラスに先天性の聴覚の障がいを持つ西宮硝子が転校してくる。ノートを使い筆談で語りかける硝子は、次第にクラスで浮いた存在になり、嫌がらせの対象になっていく。

そんな硝子のことが将也は気になって仕方なく、気持ちの伝え方が分からないまま、さらに硝子に嫌がらせをしてしまう。やがて硝子への嫌がらせが担任の耳に入り、将也はその犯人として吊し上げられ周囲から孤立していくのだった。

その後、硝子は転校。将也は心を閉ざし、消えない罪悪感を抱えたまま高校3年生になった。偶然、町で硝子を見かけた将也は、彼女を追いかけて、手話サークルに通っていることを知る。

あの頃、謝罪の気持ちを言えなかった将也と、自分がいることで誰かが傷つくと思いつめる硝子。2人は閉ざしていた心を開き、少しずつ気持ちを表せるようになっていくとき、2人の周囲の人たちも変わり始めていく。

■日本初放送、ロマンス・ファンタジー時代劇「七時吉祥〜エンドレス・ラブ〜」

メガヒットを記録した「蒼蘭訣〜エターナル・ラブ〜」の製作陣により描かれる、七世にわたる壮大な愛を紡ぐロマンス・ファンタジー時代劇「七時吉祥〜エンドレス・ラブ〜」。中国ではリリース前から視聴予約数が620万人を超えて当時歴代1位を記録、配信後も視聴数・人気指数・急上昇率など各種ランキングを席巻した。

“誤って”赤い糸で結ばれてしまった2人が、七世に渡って愛を紡いでいく…という壮大な世界観。トラとイノシシ、将軍と皇女、妖女と妖王、弟子と師匠など、さまざまなシチュエーションで波乱万丈のロマンスを繰り広げていく。

出演は「千紫万華〜重紫に捧ぐ不滅の愛〜」のヤン・チャオユエ、「今宵、若様は恋におちる」「花の都に虎われて〜The Romance of Tiger and Rose〜」のディン・ユーシー。

(「七時吉祥〜エンドレス・ラブ〜」ストーリー)
天界の戦神・初空(ディン・ユーシー)は3万年前、妖魔・滄海と戦いこれを討ち破ったが、その時損傷し未だ癒えない元神を治癒するため、情愛の試練を受けに下界に転生修行に行くことになる。

男女の縁を司る姻縁閣で働く仙女・祥雲(ヤン・チャオユエ)は、初空のパートナーを探すことになるが、誤って自分が初空と赤い糸で結ばれてしまう。

かくして転生のパートナーとなった2人は、猪と白虎、幼馴染の許嫁同士、教主と弟子、魂が入れ替わった夫婦…と様々なカップルの人生を経験し七世にわたる恋愛譚を駆け抜ける。ロマンティックで楽しく波乱万丈な七世の愛の物語。

※山崎玲奈の「崎」は正しくは「たつさき」