コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、黒木崇文さんがX(旧Twitter)とFANBOXで連載している『女霊さんは除霊されたい』をピックアップ。

2024年2月2日にX(旧Twitter)で本作を投稿したところ、5,000件を超える「いいね」と共に、多くの反響コメントが寄せられた。本記事では、黒木崇文さんにインタビューを行い、創作のきっかけや漫画を描く際のこだわりについて語ってもらった。

■“誰かを呪い殺す前に成仏しなければ”と悩む女の幽霊と研究者の出会い
とある女性は、気が付くと“霊”になって街中を彷徨い歩いていた。生前の記憶はなく、ただ死の感覚だけは覚えている。そんな中、何よりつらいのは誰からも自分の存在を認識してもらえないことだった。

中には自分のことを“視える”人がたまにいる。しかし、喜んで近づこうとするも、まるで発作のように思ってもいない言葉を口にしてしまう。

「呪い殺してやろうか」

せっかく自分のことを認識してくれる人間が現れても驚かせて、時には危険な目にも合わせてしまうため、この幽霊は“私は悪霊らしい”と悟るのだった。そして、いつか人を殺めてしまうのではないかと不安になり、成仏しなければと思い悩んでいたところで、一人の男性と出会う。

その男性は、国防大学校の霊対策研究室に所属している日向夏教授。霊の研究や除去する活動をしている。夏教授はいつものように目の前にいる女霊を除去しようとしたが、“自分は悪霊だから早く除霊した方がいい”と優しさを見せた彼女に興味が湧き、研究室に連れて帰る決断をした。

研究室にて会話を重ねる中で、夏教授は女霊のことを「悪霊ではない可能性が高い」と考察した。そして、その考えにホッとした様子を見せる女霊は研究に協力することを決意。たとえ自分が悪霊だったとしても、初めて自分と向き合ってくれた夏教授に除霊されたいと願うのだった。

本作は、黒木崇文さんのX(旧Twitter)とFANBOXで連載されている。これから2人の関係はどうなっていくのか、女霊さんは除霊されてしまうのか…気になる人はぜひ続きをチェックしてほしい。

■作者・黒木崇文さん「登場人物がストーリーに沿って都合の良い行動をしないように」
――『女霊さんは除霊されたい』が生まれたきっかけや理由などをお教えください。

仕事が一段落して時間ができた時に、X(旧Twitter)に何か投稿しようと考えました。そこで、2012年の夏にジャンプNEXTに掲載された「れいたいけん」をリブートできないかと考えたんです。

「れいたいけん」では主人公は霊を退治する教授でしたが、本作では逆に霊側を主人公にしてみようと。せっかくなので教授の性格も180度くらい変えて、霊を助けるということにして今の形になりました。

――本作を描く上で、特に心がけているところ、大切にしていることなどをお教えください。

本作では、登場人物がストーリーに沿って都合の良い行動をしないように、それぞれのキャラクターが一人の人間あるいは霊として、個人の言動に嘘がないように努めています。

それによって、思ってもいなかった展開になることもありました。

――今作の中で特に気に入っているシーンやセリフがあれば、理由と共にお教えください。

多くのシーンの中で、特に印象的なのは、女霊さんを助けたい夏教授が上司の命令によって納得できない形で彼女を除霊しなければならなくなり、女霊さんが教授の顔を見て自分の運命を受け入れるシーンです。

――X(旧Twitter)投稿には、多くの“いいね”やコメントが寄せられていました。今回の反響をどのように受け止めていらっしゃいますか。

多くの方から「いいね」やコメントをいただき、大変嬉しく思っております。作品を読んでくださった皆様、本当にありがとうございます。自分のことのように喜んだり悲しんだりして感想を伝えてくださる方が多く、作品が皆様の心に少しでも響いたことを実感することができました。これは作者冥利に尽きます。

――今後の展望・目標をお教えください。

「女霊さんは除霊されたい」は、結末をある程度決めています。読者に驚きと喜びを届けられるラストにするために、キャラクターをもっと活躍させたいと思っています。

――最後に、読者やファンの方へメッセージをお願いします。

いつも応援ありがとうございます。皆様のおかげでここまで続けることができました。霊科学者の青年と女霊さんの恋愛を描いた、ちょっと変わったラブコメディです。今後も二人の関係がどのように変化していくのか、ぜひ楽しみにしてください。

これからも、皆様に楽しんでいただける作品を作れるよう、努力していきますので、応援よろしくお願いします。