小芝風花が主演を務める木曜劇場「大奥」(毎週木曜夜10:00-10:54、フジテレビ系)の第9話が3月14日に放送。第9話放送を前に、宮舘涼太演じる松平定信の活躍を振り返る。定信は、本作の終了間近に、毎回、視聴者を震え上がらせる人物として、X(Twitter)でたびたび話題となっている。また、そんな定信は倫子(小芝)には思いを寄せる一途な一面を見せながらも、一方で、家治(亀梨和也)には並々ならぬ恨みを募らせている。2つの顔を持つ定信は、「どちらの顔が本物なのか」と視聴者を困惑させており、今後の動向が気になる人物の一人であることは間違いない。 (以下、ネタバレを含みます)

■「大奥」の内容を紹介

本作は、連続ドラマとしては約20年ぶりに復活したフジテレビ系「大奥」シリーズ。さまざまな人間の思惑、嫉妬、憎悪、悲哀が渦巻く“女性の社会の縮図=大奥”で、たった一つの愛を得ようともがく女性らの戦いを描く。

■定信は倫子へ贈り物を届ける…「大奥」第8話を振り返る

急に産気づいた五十宮倫子を心配し、徳川家治が駆け付ける。子を産むにはまだ早い時期で、家治は倫子に手を伸ばすも、その手を倫子に退けられてしまう。そして倫子は子を出産するが、悲しいものとなってしまった。

その頃、松平定信は隠密を相手に将棋を指し、「最初にあらゆるものを奪ったのは、あの男だ」と漏らす。その思いが定信を突き動かし、家治の血を根絶やしにして、自らが幕府の中枢に就くことへと向いていた。

一方、お品(西野七瀬)が懐妊する。お品の子を将軍世継ぎにせんとする田沼意次(安田顕)と高岳(田中道子)の意気は上がる。一方、竹千代を愛でるお知保は、傷心の倫子を気にしていた。家治も倫子に会いに行くが、倫子は今は一人にしておいてほしいと、深い悲しみに暮れていた。

そんな倫子に、定信から贈り物が届く。その贈り物には文が隠されており、倫子を元気づけんとする内容だったが、定信は新たな企てを仕掛けようとしていた。

■松平定信を演じる宮舘に集まる視聴者からの声

本作で松平定信を演じているのは、Snow Manの宮舘。独特のトークや「セクシー、ロイヤル、美しい」をモットーに、独自のキャラクターを確立。どんなことにも全力で取り組む姿勢が評価され、数多くのファンや視聴者を魅了してきた。

そんな宮舘は、本作で連続ドラマレギュラー初出演を果たした。さらに、時代劇に挑戦したいという長年の夢をかなえただけではなく、憧れの先輩・亀梨とも共演するなど、宮舘にとって「大奥」は特別な作品ともいえる。

今回、宮舘が演じる定信は、徳川(田安)宗武の息子で白河藩藩主。徳川将軍家の血を引く家治のいとこに当たる。また、定信は幼い頃に養子に出された過去があり、今も胸の内にある思いを秘めており、家治とはライバル関係という間柄だという。

さらに、家治の正室となる倫子の幼なじみでもある。物語のキーマンと言っても過言ではない定信を宮舘は演じている。連続ドラマレギュラー初出演とは思えないほどの幅広い表現力に、初登場時から、視聴者の注目を集めている。

その証拠に、Xでは、「表現力がすごい」「定信がずば抜けてすごい」「定信役の方、演技が上手だ…」「迫力がある」と宮舘の演技を絶賛する声が多く上がり、何度か「#松平定信」がトレンド入りしている。

■優しさと残酷さが同居する定信

定信は2つの顔を持っている。まずは、幼なじみの倫子だけに見せる優しい表情だ。家治と倫子の婚儀に宗武とともに顔を出した定信は、江戸城にやって来たばかりで心細い倫子を気にしていた。誰もが倫子に冷たい態度を取る中で、ただ一人だけ優しく接する定信に対し、心をときめかせた視聴者もいただろう。

第4話では、倫子が増上寺代参をすることをきっかけに、定信と倫子が幼なじみだということが明らかになる。楽しそうに街を散策する定信と倫子にどこかほっこりとした気持ちになった。その一方で、定信が、損をして、“当て馬キャラ”で終わってしまうのではないかと心配する声もあった。

だが、そんなことはなかった。定信が持っているもう一つの顔が、その心配を吹き飛ばすことに。倫子に優しく接していた定信の残酷な面が、話数を重ねるごとに現れていった。

同じキャラクターなのかと疑ってしまうほどの表情の変化と、それを生み出す宮舘の表現力。Xでは「どっちが本物なの!?」「恐怖だよ!」「え、同じ人だよね…?」と驚く人々が続出していた。

優しさと残酷さが同居する定信は、3月7日放送の第8話でもさらなる恐怖を視聴者へ与えていった。

■定信の本来の姿とは…

第7話のラストでは、思い人である倫子へ子が流れる薬を盛った定信。家治が絡むと、思い人への愛もなくしてしまう定信の姿には、恐怖しか感じない。

さらに、続く第8話では、自分が原因で、倫子の子どもがなくなってしまったのにもかかわらず、定信は倫子に贈り物を届ける。贈り物には手紙が入っており、「こよい夜空をご覧ください。どんな暗闇にも花は咲きます」という内容が記されていた。

ナレーションとして流れた定信の声はあまりに優しく、一連の流れを知る身としては、その優しさがより残酷さを引き出している。「倫子殿には悪いことをしたのう」と自分がしたことに対し、反省も後悔もしていない様子の定信。

悲しむ倫子を慰める手紙とともに花火を打ち上げる定信に、「いやいや!おまえのせいや!」「こわ!え?こわ!」「本当の姿が分かんない!本当に分かんない!」と恐怖する声が寄せられる。その一方で、2つの顔を持つ定信に以前より深くハマってしまったという人も増加している。

3月14日放送の第9話では、再び、定信が倫子に急接近するという。倫子を慕う優しい定信の姿が本物なのか、それとも、己の目的のためであれば倫子さえも利用しようとする残酷な一面が定信の本来の姿なのか。それはまだ分からない。しかし、今後、定信の行動によってストーリーが大きく動くことだろう。

◆文=ザテレビジョンドラマ部