1998年の夏に放送された伝説の学園ドラマ「GTO」。反町隆史の人気を不動のものにした同ドラマが、4月1日(月)からカンテレ・フジテレビ開局65周年特別ドラマ「GTOリバイバル」(フジテレビ系)として復活する。社会問題への挑戦、強烈なキャラクター、“型破り”な学園ものとして人気を博した「GTO」の魅力を、リバイバル放送前に改めて深堀りしていく。

■人気最高潮の反町隆史が社会現象を巻き起こしたドラマ

1994年に「毎度ゴメンなさぁい」で俳優デビューを果たし、役者や歌手として活躍していた反町隆史。1997年から「バージンロード」「ビーチボーイズ」と高視聴率作品へ立て続けに出演し、注目を集めていた。

そんな反町の人気を決定づけ、代名詞的ドラマとなったのが「GTO」(フジテレビ系)。最高視聴率35.7%を記録し、自身が歌う主題歌「POISON〜言いたい事も言えないこんな世の中は〜」も大ヒットする。

原作は藤沢とおるが「週刊少年マガジン」で連載していた同名タイトルの漫画。ある事件をきっかけに明修学苑高校へ着任した元“走り屋”の主人公・鬼塚英吉が、学園にはびこるトラブルの数々を型破りな方法で解決していくさまを描いた痛快作品だ。タイトルの「GTO」は「Great Teacher Onizuka」の頭文字を取ったもの。

新任教師である鬼塚が担任を務めるのは、“学園内最悪”と評される2年4組だった。生徒間のイジメ、教師を脱落させるための強烈な嫌がらせの数々、そして臭い物にフタをする教師陣…。どうしようもない惨状を見せるクラスに、鬼塚は“学園のルール”や“場の空気”ではなく、“ものの道理”で真正面から向き合う。

■見る者を惹きつけた名シーンと名言の数々

1998年のドラマ「GTO」は「原作よりもシリアスな作品にする」という製作陣の意図により、設定を中学から高校に改変。厳しい規則で縛られ、反発する生徒たちと、鬼塚ら教師陣の和解にフォーカスしている。

放送時に社会問題となっていた生徒間のいじめ、不登校、暴力といった題材だけでなく、当時の文部省やPTAといった権力に逆らえない教頭などの教師陣の問題もピックアップされ、原作のコミカルな演出を交えて描かれた。共演に名を連ねるのは松嶋菜々子、藤木直人、池内博之、ブレイク前の窪塚洋介、小栗旬などいまにして思えば豪華すぎるメンツだ。

同作では特に、パッションあふれる鬼塚の名言が印象に残っている。たとえば問題児たちにイジメられていた吉川のぼる(小栗旬)が自殺をするために飛び降りかけたとき、「自分から死のうなんてな、そんなの勇気でも何でもない!お前、生きていくことの方がよっぽど勇気が必要なんだぞ」と力強く語った言葉。まだ幼い面立ちの小栗が息を飲んだ瞬間を、いまでも鮮明に思い出せる。

さらになんでもできる幼馴染と自分を比べて落ち込む女生徒の前で、周りの大人に止められながら叫んだ「いいじゃねえかよ、お前はお前で」というワードは多くの若者に突き刺さったはず。ほかにも中尾彬演じる教頭へ回し蹴りを放ちながらの「てめえらみてえなセンコーがいっからな、こいつらみてえなガキが居場所なくなっちまうんだよ!」は、第1話にして視聴者に強烈なインパクトを残した。

同作は名言名シーンの枚挙には暇がない。原作の完成度もさることながら、反町のちょいワルな雰囲気とドスの効いた声質が“鬼塚栄吉”をリアルに仕上げている。

ちなみに同作が初めて映像化されたのは2002年のこと。全12話の本編と120分にわたる「GTO総集編」に加え、反町らキャスト陣のインタビューやNG集が収録された。


■「GTOリバイバル」令和の学校問題に鬼塚はどう向き合うのか

「GTOリバイバル」では反町が鬼塚役を続投するほか、かつて鬼塚の教え子だった池内博之、窪塚洋介、小栗旬らが引き続き同役で出演。私立相徳学院高等学校の副担任に着任した鬼塚が、新たな問題に体当たりでぶつかる姿が映し出される。

時代は平成から令和へ変わった。だがSNSに関わるトラブルなどや貧富の差など、現代でも子どもたちが抱える問題は形を変えて存在している。腕っぷしの強さだけでは解決できない問題に、鬼塚はどう立ち向かっていくのか。

公開された予告編動画には、バイクの傍に立つ鬼塚が生徒にヘルメットを渡す姿、軽トラックの荷台に乗ってメガホンを掲げるようす、電動ノコギリを手にするシーンなどが収められている。どれも原作の名シーンを思い起こさせる過激でユニークなカットだ。

ネットいじめ、若者の貧困、コンプライアンス問題…。主演の反町が「今このタイミングで復活することに意味があると思い、今回は自分から声をかけさせていただきました」と語った同作が描く物語とは。4月1日(月)夜9時にSPドラマとして放送される。