コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、女子高校生で甘いもの好きながらも周囲に言えず、父親がヤクザで強面の佐藤カンナがファミレスでパフェを楽しんでいると、同じクラスの学級委員長、望月美都と出会う。見た目や言動と好きな食べ物のギャップが意外で面白いと話題の『隠れ甘党ヤンキー、ファミレスでクラスの隠れ大食いお嬢様に遭遇する』をピックアップ。なお、本作は『しゅがー・みーつ・がーる!』(著・白野アキヒロ、芳文社)第1話に収録されている。

作者の白野アキヒロさんが2024年3月14日にX(旧 Twitter)に投稿したところ、2万1千件を超える「いいね」を獲得し、「二人とも秘密のギャップと相まってすごく可愛くてめちゃくちゃ面白かったです」「ギャップの塊みたいな漫画…!」など多くの反響が寄せられた。本記事では、白野アキヒロさんにインタビューを行い、創作のきっかけやこだわりについて語ってもらった。

■親がヤクザの佐藤カンナにチンピラも退散
甘いもの好きでも他人には言えない、ヤクザが父の強面なカンナが秘密に一人でパフェを楽しんでいると、学級委員長で令嬢の美都と遭遇。美都は大盛りステーキを早く食べ終え、驚くカンナ。互いの秘密を守るため取引するカンナと美都だが…。

周りからの目を気にかけているが、イメージと異なる2人の嗜好を通じてリアルだがギャグテイストのストーリー展開に、X(旧 Twitter)上では「ギャップが好きすぎる…!!」「ギャップ萌えは全てを解決する…!」「これはアニメ化待ったなしですわ」といった多数のコメントが寄せられ、反響を呼んでいる。

■「お互いの救いになればいい」作者・白野アキヒロさんが語る創作の裏側とこだわり

――『隠れ甘党ヤンキー、ファミレスでクラスの隠れ大食いお嬢様に遭遇する』のモチーフはどのようにして生まれたのでしょうか?

元ネタは4年ほど前にX(旧 Twitter)漫画として4ページの構想をしておりました。その際に「正反対の2人がいる」「2人が出会うことでwin-winの関係になる」といった要素が構成しやすく、また私自身も好きな流れだったため、どんなシチュエーションが当てはまるか考えました。そこで出てきたのが「イメージと離れた好物がある2人が、出会うことでメニューを交換する」というシチュエーションです。

そのタイミングできららフォワードさんから読み切り掲載の話があり、4ページから膨らませられないか考え、今の形になりました。

――本作では、ヤクザの娘であるカンナと学級委員長であり令嬢の美都が共有する秘められた性質があります。白野さんは、どのような感情を抱いて二人の関係を描こうとしていらっしゃいますか。

自分の立場を気にして好きなことが出来ないというのは、私自身体験した事がありますし他の方のお話を聞いてもよく聞くことでもあります。

創作物を読んだり描いたりする上で、とくに好きな場面に多いのは「キャラクターが救われる瞬間」と、「他者との出会いで救いが発生する」というものなので、「この出会いがあってよかったね」と思えるキャラクターやシチュエーション作りを目標にしています。

少し大袈裟ですが、今作では2人が共にいる間、好きなものを食べられる・受け入れられることでお互いの救いになればいいなぁと思いながら執筆しています。

――本作では、二人が秘密を共有して完結しているところが象徴的です。本作を描く上でこだわっている点がありましたら、理由と共に教えてください。

企画自体が当初は読み切りだったため、「2人の関係はまだまだ続く」的な終わり方をどう連載に持っていくか悩みました。

今回インタビューで答えている内容は連載作品の1話となるので、これで終わりとならないように、2話以降の引きとして美都のお誘いシーンを重点的に描きました。

この2人の関係をもっと見たいなと思ってもらえるように意識しました。

――『隠れ甘党ヤンキー、ファミレスでクラスの隠れ大食いお嬢様に遭遇する』で白野さんのお気に入りのシーンやセリフを、理由と共にお聞かせください。

「お互いの心臓(ひみつ)を握り合っている」の場面は、心臓をひみつと読ませているのですが、色々なコメントでご好評頂けて嬉しかったです。

2人がそれぞれ好物を食べているシーンも、それまでとは違う表情が描けて楽しかったです。

――これからの作品で、白野さんの描く漫画の見どころや注目してほしい点についてお聞かせください。

今作『隠れ甘党ヤンキー、ファミレスでクラスの隠れ大食いお嬢様に遭遇する』改め『しゅがー・みーつ・がーる!』は色々なお店を回りながら2人の関係性を深めていくお話作りをしています。

徐々に色々な一面を見せていきますので、注目して頂けると嬉しいです。

まだまだ挑戦できていないジャンルや勉強できていないことも沢山あるので、今後も学びつつ漫画に生かしていきたいと思います。

――最後に、作品を楽しみにしている読者やファンの方へメッセージをお願いします。

作品をお読み頂き、またいつも応援頂きありがとうございます!読者の方の応援は執筆にあたり大変力になるなと実感する日々です。

今後とも精進して参りますので、よろしくお願いいたします。