コミックの映像化や、ドラマのコミカライズなどが多い今、エンタメ好きとしてチェックしておきたいホットなマンガ情報をお届けする「ザテレビジョン マンガ部」。今回は、『着物ちゃんとロリータちゃん』や『ギャルがシルバニアファミリーを溺愛したら。#ギャルバニア』などを創作する岡野く仔さんの『1年生と3年生 新学期の話。』をピックアップ。

2024年4月17日にX(旧Twitter)で本作を投稿したところ、5,000件を超える「いいね」と共に、多くの反響コメントが寄せられた。本記事では、岡野く仔さんにインタビューを行い、創作のきっかけや漫画を描く際のこだわりについて語ってもらった。

■中学時代に1ヶ月だけ付き合った先輩と高校で再会…
主人公の女子中学生には、1年生のとき1ヶ月だけ付き合った彼氏がいた。3年生の先輩で、彼の受験が忙しくなってしまい、距離が縮まらないままそれっきり、卒業式にボタンをもらってから会わなくなってしまった。

そもそも主人公は、制服のスカートは長く、髪型も適当。見た目が地味だったため、“先輩はどうして私を選んだのだろう”という疑問を心の片隅に抱えたまま、今度は自分が受験する立場になった。そして、偏差値が合う高校を選び、“ただの偶然”で先輩と同じ学校に進学する。

高校生になった主人公は、毎日何事もなく学校生活を過ごしていた。しかしある日、廊下で先輩とばったり再会し、声をかけられる。主人公が自分と同じ高校に進学したことに驚いた様子の先輩。咄嗟に主人公は「偶然です!」と伝えた。続けて、先輩が口を開く。

「うち来ないかなって 期待してた」

二人は1年生と3年生という関係…中学時代と同じように1年しか一緒にいられないのに“何でそんなこと言うの”と思う主人公だったが、先輩の言葉に胸の高鳴りを抑えられずにいるのだった。

本作は、中学から高校に渡る恋愛をわずか4ページに詰め込んだ作品だ。出会いと別れの春という季節にぴったりな本作に、心をときめかせる読者が続出。「高校生甘酸っぱくて可愛い!!!!!!!!!!」「めちゃくちゃ尊い」「素敵過ぎるッ」などのコメントが多く寄せられた。

■作者・岡野く仔さん「少女漫画のコマ割りや構成を意識しました」
――『1年生と3年生 新学期の話。』を描こうと思ったきっかけや理由などをお教えください。

いつも同じ学年の関係ばかり描いていたのですが、中学高校の1年生と3年生はどうしても1年しか一緒にいられないのに付き合ったら…と考えたら逆にその寂しさが尊いと思って描いてみました。

――本作は4ページという短いお話に濃いストーリーが詰め込まれています。作品を描く中で特に心がけたところや大切にしたことなどをお教えください。

さわやかなストーリーを際立たせたかったので、いつものコマ割りではなく、少女漫画のコマ割りや構成を意識しました。

――女の子は、先輩と同じ高校に進学したことを“偶然”としていますが、本心では「また付き合えたら…」と期待していたのでは?という想像も膨らみます。実際はどうなのでしょうか?

期待していたとは思いますが、「廊下ですれ違えたらいいな」くらいの淡い期待しかしてなかったと思います。なので会いに行くこともしませんでした。

――以前、別作品でインタビューをさせていただいた際に、「制服と制服の上に着るアウターの違いを描き分けるのが楽しくて好き」とのお話をされていました。今回、中学時代はセーラー服と学ラン、高校時代はセーターにリボンやネクタイというスタイルでした。岡野さんとしては、どちらがお気に入りですか?

描きやすいのはブレザーですが、好きなのは断然セーラーです!

――最後に、今回の投稿に多くの“いいね”やコメントが寄せられた反響についての感想をお聞かせください。

2つ目の質問でもお答えしましたがコマ割りもいつもと違う雰囲気にしたのでいい反応がもらえて嬉しかったです。