偽造文書でイタリアに移住

18日に行われたFAカップ準々決勝マンチェスター・ユナイテッド対リヴァプールの試合。延長戦にまで縺れこんだこの試合に決着をつけたのは、マンチェスター・ユナイテッドの21歳アマド・ディアロだ。

彼は延長後半アディショナルタイム1分にガルナチョのカウンターと見事に連動しゴールを奪った。

この活躍でディアロの名は一気に広まることになり、『THE Sun』が彼の抱える壮絶な過去を再び報じることとなった。

ディアロは10歳の時に兄と共にコートジボワールのアビジャンを去りイタリアに移住。パルマに定住し、ユースクラブのボカ・バルコでたちまちスター選手に上り詰めた。

多くのセリエAのクラブから関心を受け、2015年にアタランタと契約。プロキャリアをスタートさせた。

しかし2020年、イタリアの地元当局がディアロのイタリア移住の経緯について調べ始めたという。

そしてこの事件はFIGC(イタリアサッカー連盟)に引き渡され、後に彼ら兄弟は児童人身売買組織によってイタリアに移住させられていたことが明らかになった。

人身売買の組織5人が家族ビザでディアロと兄ハメド・ジュニア・トラオレをコートジボワールからイタリアに密入国させたという。

FIGCは偽造文書に記載されていたディアロの両親は実の両親ではないとし、ディアロがアタランタと契約するために、トラオレ・ディアロ・アマドという偽名の使用を許可したと発表した。さらにディアロの兄とされていたハメドも実の兄ではないのではないかと疑問視されている。

この訴訟はFIGCがディアロらの司法取引を受け入れ、罰金4万2000ポンドを科し2021年に終審した。

壮絶な過去を抱えながらもサッカー選手というキャリアを歩み続けているディアロ。今回のFAカップ準々決勝は、更なる高みを目指しているディアロにとって、エリック・テン・ハーグ率いるユナイテッドの中心選手への第一歩になったかもしれない。