那珂川町の神社で、今年の干支の「辰」にちなんだ縁起の良い龍の彫刻の特別公開が29日から始まりました。

栃木県那珂川町と茨城県常陸大宮市にまたがる鷲子山上神社では、江戸時代の中期に建て替えられたとされる大きな龍の彫刻「阿吽(あうん)の大龍(たいりゅう)」が、御開帳されました。御開帳は戦後2度目で、2012年に続いて12年ぶりです。

午前9時半、長倉樹宮司を先頭に参拝者が出発。階段を上って本殿にたどり着くと、およそ6メートルの間口に「阿吽」の対の形で龍の彫刻が姿を見せ、訪れた人たちが運気上昇や開運を祈願していました。

この龍の彫刻は天明8年、1788年に芳賀郡千本御領田野辺、現在の市貝町田野辺にいた日光東照宮の彫刻師の子孫、石原藤助が手がけたとされます。また、本殿には、ほかにも縁起の良い麒麟や象、菊など動植物が彫られていますが、本殿の北西側の小さい龍だけは「阿吽」ではなく2体とも口をつぐんだ、「吽」と「吽」の対になっていて、東照宮の逆さ柱と同じようにわざと未完成の形にすることで災いを避ける意味を持たせたのではないかと言われています。

「阿吽の大龍」の御開帳は来月(5月)7日までで期間中、ミニコンサートやお囃子の演奏なども行われます。また拝観は無料で、今回は撮影も可能だということです。