「紅麹コレステヘルプ」の健康被害を巡り、原因物質の可能性があるとされる「プベルル酸」ですが、どのような性質を持っているのでしょうか。  厚生労働省によりますと、プベルル酸は青カビが作り出す天然の化合物で、細菌の増殖を抑える抗生物質の特性を持っていて、マラリアに効果があるほど「強い毒性」を持っているということです。  ただ、今回相次いだ腎臓疾患とプベルル酸との関連は現時点は分からず、これまで症例は確認されていないということです。

 名古屋市立大学大学院薬学研究科の中川秀彦教授によると、プベルル酸の研究自体、これまで幅広く行われていないとした上で、プベルル酸に似た構造を持つ化合物の中には肝臓や腎臓に毒性を持つものがあるということです。  紅麹が培養される過程でプベルル酸が生み出される可能性は低いということで、紅麹の以外の微生物から青カビのようなものが生み出されたのではないかとみています。  プベルル酸がどのような理由で混入したかは分かっておらず、小林製薬は今後、国の研究機関と今回の原因を解明していくとしています。

 この問題をめぐる影響は東海3県でも広がっています。愛知県によると、県内では7社が製品に小林製薬の紅麹原料を使っていることから、商品の自主回収を進めています。  対象の商品はサプリメント、梅酒大豆製のハムなど幅広いですが、いずれも健康被害は確認されていないということです。