「生きることの大切さとともに、自然のなかでは死もおろそかにできない。

この新たな動物病院は、命そのものについて考える場として、盛岡市動物公園からの重要なメッセージを伝える場にしたい」

―――そんな想いを伝えたのは、岩手県 盛岡市動物公園 ZOOMO 辻本恒徳 園長。

辻本園長がそう明かすように、実はいま、この盛岡市動物公園 ZOOMO で「国内初」の新たな視点で“生きることの大切さ”を目の当たりにできる新動物病院を建設する計画が動き出した。

里山にある“動物共存公営リゾート空間”

東北新幹線 盛岡駅から西へ6km、クルマで20分ほど行くとある盛岡市動物公園 ZOOMO(ズーモ)は、里山の起伏にとんだ地形のなかにある回遊型の動物園で、「山道を歩いているといろいろな動物に遭遇する」という楽しみがある空間。

画像↑↑↑のように広大な敷地にリゾート地のようなリラックスできる空間もあり、おしゃれなカフェも併設。

お弁当を持ってこうした森のなかのベンチに座って、60種300頭羽もの動物たちの声や息吹を感じながらランチも楽しいし、ここで一日じゅう動物たちといっしょにテレワークするのもいい。

―――そんな盛岡のネイチャーオアシス、盛岡市動物公園 ZOOMO に新たに誕生する新動物病院計画に、いま全国から注目を集めている。

国内初、誰でも観察できる動物病院が誕生

新動物病院を取り囲む観覧通路を設置し、診療室の窓から動物たちの治療を誰でも観察できるようにする。

また、モニターで動物たちが治療を受けるようすや、病気予防のための健康診断を受けるようすも観察できるようにする。

こうした、診療風景を観せながらガイドがメッセージを発信する動物病院は「国内初」という。

さらに、新動物病院内に入れるツアーや検査体験・疑似診療ができる機会もつくっていくという。

「動物たちの診療の様子を見ることによって、動物たちの健康を軸に、自分たちの健康について考え、さらに自分たちの健康と動物たちの健康、そして環境とのつながりを考えるきっかけとなります。

まさに、盛岡市動物公園が大切にしている理念『One World-One Health』の軸となり「ZOOMO のまんなか」と呼べる場所にしていきます」(盛岡市動物公園 ZOOMO)

「非公開だった病気の動物や死も見える」

「盛岡市動物公園 ZOOMO のまんなかに建てる新動物病院は、誰もが気軽に立ち寄ることができる場所となります。

そこでは懸命に生きる動物たちの姿はもちろんのこと、いままで非公開だった病気の動物や死も見えるようになります。

命とは、必ずしも生きているということだけではありません。命は『生と死』の循環で成り立っていることが自然界のルールです。

生と同じく、死もまた大切であることを伝え、命について考えるきっかけをこの新動物病院でつくってほしい。

たとえば、普通であればバックヤード飼育となるようなケガや老化などによる入院動物を見ることで、動物だけでなく、自分や家族の老いや死についても話し合うきっかけに。

診療のようすやそれに用いる器具を見たり、解説を聞いたり、模擬手術等を体験することで、動物医療についての理解を深める。

病院内を見学し、動物医療を身近に感じることで命の大切さを知り、動物の命を救う目的について考えるきっかけとなる……など」(ZOOMO 辻本 園長)

「動物を身近に大切にする盛岡の風土と」

「かつて盛岡市周辺や遠野地方には、「南部曲がり家」というかぎ型の農家が多くつくられ、人と馬が同じ屋根の下で生活を共にしてきました。

いつでも馬に目が届くようにと、母屋と馬屋が一体となるよう考え出された空間設計からも分かるように、動物を身近にそして大切にする風土が盛岡に根付いています。

この地域風土と ZOOMO の理念である“One World-One Health”を設計で体現し、後世へ想いを紡いでいきます」(ZOOMO 辻本 園長)

地域の野生動物たちの動物医療拠点も担う

「岩手は豊かな自然環境に恵まれ、ZOOMO にも多くの野生生物が暮らしています。県内各所で野生動物が保護されることも少なくありません。

ZOOMO 新動物病院では、そのような野生動物にも望まれる医療を提供し、地域の動物たちの保全にもつなげていきます。

この“見える動物病院”では、それらの動物たちが置かれている状況や保護された理由について見学できるので、自分たちの生活とのかかわりについて考えるきっかけにもなります。

自分たちの生活で出たごみがまわりまわって動物が保護される原因をつくっていないか、身の回りで動物が事故に遭っていないか、目の前の動物を脅かしている感染症はいつか自分たちを脅かす可能性はないのか―――と思いをめぐらせ、自分と動物たちの生活や健康がつながっているという実感を持つことができます。

ZOOMO 新動物病院では、そんな「One World-One Health」を最も体感できる場をめざします」(ZOOMO 辻本 園長)

設計は世界展開する槇総合計画事務所

盛岡市動物公園 ZOOMO で動き出した新動物病院プロジェクト。その実現に向けて資金調達や設計事務所も具体的に動き出している。

まず設計は、幕張メッセ、4ワールド・トレード・センターなど国内外を問わず優れたデザインと性能を併せ持った建築を手がけてきた、世界的建築設計事務所として知られる槇総合計画事務所が ZOOMO の理念に共感し、パートナーとして参画。基本計画の作成・基本設計を担当する。

クラウドファンディングで資金調達

盛岡市動物公園 ZOOMO の新動物病院建設には、「総額で1億1千万円という多額の費用となる」(盛岡市)と見込み、目標金額を1億円と設定し、5月16日〜11月15日(184日間)の間に「ふるさと納税を活用したクラウドファンディング」(ふるさとチョイスGCF)で寄付を募っている↓↓↓
https://www.furusato-tax.jp/gcf/2982

この「ふるさと納税を活用したクラウドファンディング」(ふるさとチョイスGCF)の使い道について盛岡市は、段階的に目標を設定し、より実行性の高い整備を実行していきたいという。

<段階的な目標(予定)>
1,000万円達成 動物病院の実施設計
2,000万円達成 敷地造成工事
5,000万円達成 建築工事1
8,000万円達成 建築工事2
11,000万円達成 建築工事3

「一個人としても、その心に共感」

「槇総合計画事務所は、盛岡市動物公園内の動物病院整備を進めるために全体協定を2022年に締結しました。

これは本施設が掲げる『One World-One Health』の理念に共感したためであります。

この理念をはじめ、「南部曲り家」に見られるように、盛岡には動物を大切にする心が古くから受け継がれています。

建物の設計者としてだけではなく、一個人としても、その心に共感しています。

動物病院建設では、自然環境の保全、動物の福祉、人の福祉、に資するよう、より良い医療環境を兼ね備えた新しい動物病院を目指していきます。

今回のプロジェクトが動物病院整備に寄与するとともに、応援者みなさんのご支援ご協力によって盛岡のすばらしさが広く認知されることを期待しています」(槇総合計画事務所 亀本ゲーリー 代表取締役)

「盛岡市動物公園にしかできないメッセージを」

「平成元年の開園以来、動物公園の獣医師として、動物と人と自然環境の健康は相互に関係し、ひとつである「One World-One Health」を感じながら、飼育動物の診療のみならず、地域の野生動物の保全にも取り組んできました。

我々が実現したいと考えている新動物病院では、動物や自然に向き合い、生きることの大切さとともに、自然のなかでは死もおろそかにしてはいけないことについて考えることができる場所をめざしています。

これはかんたんなことではありませんが、盛岡市動物公園の動物病院にしかできない重要なメッセージだと考えています。

動物たちの診療やケアを自分の目で見て、学び、それぞれが思いをめぐらせることも大きな一歩となります。

この新たな動物病院を実現するために、みなさんからのご支援ご協力をお願い申し上げます。

自然や動物と共生する意識と喜びを多くの方々に感じてもらえるようにするため、どうぞよろしくお願いいたします」(盛岡市動物公園 ZOOMO 辻本恒徳 園長)

―――目標額の1億円を達成し、国内初の「誰でも観察できる動物病院」の実現へ。岩手県盛岡市という市境・県境を超え、共感の環が広がる気配。

https://www.furusato-tax.jp/gcf/2982

https://www.city.morioka.iwate.jp/kurashi/midori/koen/1010550/1032994.html