京都大学大学院教授で元内閣官房参与の藤井聡氏(55)が驚きの変貌だ。藤井氏扮する熱血シンガー「三沢カヅチカ」が、インボイスを推進する財務官僚をディスる「聞け! 俺のインボイス!」を作り上げた。楽曲では初挑戦のラップに加え、官僚を憑依させるイタコ芸まで披露! そんな破天荒とも呼べる音楽活動の裏には緊縮財政への危機感があった。

 ――制作の経緯は

 三沢(藤井氏)この曲の構想は、タレントのゆうちゃみさんとやっていた「東京ホンマもん教室」(TOKYO MX系)がキッカケで。そこで「日本経済が消費税増税によって“秘孔”を突かれたかのようにボロボロになっている」という話をしてたら、ゆうちゃみから「それは皆に伝えていかないとダメじゃないですか! ラップだったら皆が聞くと思いますよ」って言われてラップに初挑戦しました。自信あります!

 ――デビュー当初は「藤井聡を尊敬するエリートサラリーマンによる謎の覆面歌手」として身分を隠していた?

 三沢 当時は安倍内閣の参与をしていて、あんまりふざけすぎても迷惑かかるなって…(笑い)。参与を辞めたタイミングでカミングアウトを決心したんです。

 ――あえて「歌」で言論を展開する意味は?

 三沢 私は論文や雑誌、ユーチューブ、テレビ、講演などで政治家の問題を批判してきましたけど広がりが出ない。ただ漫画や映画の監修を務めるなかで1人でも多くの方にリーチしていこうってなって、音楽活動もその一部なんです。

 ――あくまでも「藤井聡」の言論活動の一環

 三沢 今までいろんな批評・批判を展開してきましたけど「政府のやることを全力でサポートするけれど、批判すべきは批判する」っていう根底がある。こと消費税、インボイスに関してはかたくなで、音楽活動は新たな形の請願ですよね。

 ――新曲は三沢が財務官僚へ憑依して歌唱する“イタコ”曲だ

 三沢 憑依した官僚は「おれがニッポンせおってる この俺様が」「これからずーっと」って、随分偉そうに言ってるわけです。それに対して京都大学の藤井聡教授みたいなヤツが「消費税減税しろ」「インボイスやめろ」って言ってる。それをさらに「うるせー! やるわけねーだろ」「インボイス! ちょっとでもさげたら 俺の身メチャクチャ ヤバくなるだろ!」って出世のために保身に走るんです。

 ――まさに悪代官

 三沢 日本のためって言ってるわりに、なんやねんコイツってね。「こういう人、皆さんどう思いますか?」って提示したい。多分、京都大学の藤井教授なんかはメチャクチャ批判すると思いますよ(笑い)。

 ――テーマは話題のインボイス制度

 三沢 インボイスは財務省の悲願であり、制度導入は大勝利だった。でもこれは“中小零細企業いじめ”になってるし、国民経済はさらに冷え込むようになりますよ。ただ(官僚は)これを取り下げたら出世できなくなるし、窓際にまで追い込まれる。そういう仕組みを財務省は作ってるワケです。ある意味、この曲で官僚の方って大変だなって感想を持っていただくのもアリですよね。コイツら、なんて哀れな人生なんだろうって。

 ――今後の歌手活動の野望は

 三沢 そりゃ将来はNHK紅白歌合戦でしょう! 夢は大きくね。

 ――紅白でも批判ラップを披露する?

 三沢 もちろんです! まぁ一応、NHK批判の曲はもし書いてても選ばないです。インボイスくらいにしておいてあげますよ(笑い)。

☆ふじい・さとし 1968年10月15日生まれ。京都大学大学院教授。2012年から18年まで、安倍内閣で内閣官房参与(防災・減災ニューディール担当)を務めた。歌手としては「三沢カヅチカ」名義で活動する。