【女子ボートレーサー・インタビュー 野田なづき(23=佐賀)前編】

 ――ボートレーサーになるきっかけ

 野田 野球がすごく上手で目立っていた弟が2歳下にいて、それを家族みんなで応援に行く家庭だった。私もバレーボールをしていたけど、そこまで有名な選手じゃなかった。結構、弟ばかり家族が応援に行っていたので「私も応援されるような職業に」と思った時に、るりさん(小芦るり華)がボートレーサーになって「久々に佐賀から女子レーサーが出たよ」という話を聞いたんです。それで私もレーサーになろうかなと思って、高校の途中で試験を受けました。高校を出た後の就職の練習になればと思って受けたら受かって、そのまま…、という感じです。

 ――実際、ボートレーサーになってみて

 野田 もう苦しくて、最初は辞めたくてレースも何回か欠場もしました。出た時からずっと顔だけレーサーとか人気が先行しちゃった。なのに着順は6等ばっかり。しんどくて「向いていないな」と思って辞めようと…。実力も成績もついてこなかった。「この生活がずっと続くなら辞めたい」と思ったのが正直な気持ちです。でも、佐賀支部の先輩が教えてくれて救ってくれた。今はすごくレースに行くのが楽しい、と思います。ここ最近は「この仕事で良かったなあ」と思えるようになりました

 ――一番、印象に残っている自分のレースは

 野田 今年のからつヴィーナスシリーズの準優勝戦(2月18日11R)です。3号艇で2着。初優出を決められてうれしかったです!

 ――他の選手のレースでは

 野田 るりさんの初優勝したレース(2023年1月9日、徳山オールレディース)ですね。るりさんが優勝した時に私も優出したいと思ったし、優勝もゆくゆくはしたいなあと思いました。一番、身近な先輩が優勝したので、それを見てまた頑張ろうと思ったレースです。

 ――目指すボートレーサー像は

 野田 私はスタートを行ってまくるというタイプではないので、ソツなくというか与えられた枠で道中戦とかに持ち込んで、大敗しない走りをして準優のいい枠で乗りたい。着を固める走りをしたい。1M一発型とかじゃなくて道中、最後までっていうレースを心がけて今は走っています。乗っていて、全然、まくるより差す方が好きです。1着を取りたいというよりは、道中追い上げて舟券に貢献する走りがしたいです、

 ――目標とする選手は

 野田 あんまり誰とは決めていないけど、やっぱり私がレーサーを目指したきっかけもるりさんだった。一番、近くてお姉さんみたいな感じ。るりさんと一緒に強い大会に出れるように「よっしゃ! 頑張ろう!」っていうのが最近の目標です。目標と目指すレーサーはるりさんです。

 ――目標は

 野田 毎節、予選を突破できるようにしていきたいというのが、直近の目標です。準優とか優勝戦とかに乗っていったら、賞金的にも勝率的にもいいレースが走れるようになる。将来的には、るりさんも出ているクイーンズクライマックスシリーズに行ってみたいという気持ちはあります。でも、今は一節一節という感じです。もっと勝率を上げてA級になりたいです。