【ロサンゼルス11日(日本時間12日)発】ドジャースの大谷翔平投手(29)の元通訳・水原一平容疑者(39)が違法なスポーツ賭博に関与した疑惑で、米司法省は11日、銀行詐欺容疑で同容疑者を訴追したと発表。大谷の口座から胴元側に1600万ドル(約24億5000万円)以上を不正に送金した疑い。大谷は送金を知らず、許可もしていないとして被害者に当たると指摘され、複数の米メディアは“潔白”であると結論付けて報じた。

 米メディアが伝える訴状内容には、違法ギャンブルの胴元マシュー・ボウヤー氏が水原容疑者を追い詰めていった様子も生々しく記されている。

 水原容疑者の借金がかさんでいくと、ボウヤー氏は南カリフォルニアあたりで大谷を尾行するようになった。水原容疑者には「ヘイ、イッペイ。いま金曜の2時だ。何で俺の電話に返信してくれないのか? 俺はいま(水原容疑者の自宅がある)ニューポートビーチにいて、大谷が犬と散歩しているのが見える。彼のところに行って話しかけ、お前が電話をくれないので、どうやったら連絡が取れるか教えてもらおうか? お願いだから、ただちに電話してほしい」とのメールを送った。

 この時期は、大谷が愛犬デコピンを飼い始め、ドジャースとの大型契約を結ぶ数週間前のことだったという。大谷が愛犬とともにMVP受賞の喜びを語ったのが昨年11月16日のこと。ドジャース入団会見で犬の名をデコピンと明かしたのは12月14日。世間的にはおめでたムードで大谷を見守っていたが、裏では緊迫の糸がきしんでいた。