広島は21日の巨人戦(マツダ)に0―0の5回降雨コールドで引き分けた。これで16日以降の1週間を3勝2分けでフィニッシュ。開幕以降、初の無敗ウイークに新井貴浩監督(47)も「徐々にかみ合ってきているんじゃないかな」と、上昇気配を感じとっているのが赤ヘル打線だ。

 無得点ドローの2試合以外は、常に5点以上を記録。4月上旬にはリーグワーストタイ記録の4戦連続完封負け、36イニング連続無得点など深刻な貧打に苦しんだ打線の底は脱した。チーム打率も2割3分1厘とリーグ5位となり、一時は1試合平均2点以下だった得点力も2・79まで上昇した。

 しかし、まだ突き詰めないといけないのが、リーグ最少の29個しかない四球数の量産だ。そもそも新井野球は初球から甘い球であれば、積極的に狙いにいくスタイルを奨励している。〝両立〟は決して簡単ではないが、藤井ヘッドコーチは「欲しいね。特にカウント3―2からのやつ」とし「守る方からしたら嫌な雰囲気になる。ヒットと同じだし、ある意味ではヒット以上になるので、すごく大事。野球のだいご味というか、敵もこちらもドキドキする。そこを制すれば、敵としたらやられたって思う部分で考えることも増える」と、相手バッテリーとの攻防を制した泥くさい見極めを求めている。

 裏を返せば、1本の快打でさらに得点を増量する余地はまだ残っているということ。また新たな1週間で打線がさらに得点力を上げることができるか――。今後のチーム浮上にも少なからず関わってきそうだ。