DeNAのドラフト1位ルーキー・度会隆輝外野手(21)が26日の巨人戦(横浜)で〝涙の満塁弾〟を放った。

 この日はプロ入り後、開幕から任されていた1番を初めて外れ「8番・右翼」で先発出場。1点をリードした直後の8回二死満塁、開幕2戦目以来となる20試合ぶりの3号グランドスラムを右翼スタンドへと叩き込んだ。

 牧の適時打で逆転し、スコアは3―2。押せ押せムードの中、4打席目に立ち、4番手・高梨に追い込まれたものの6球目の低めスライダーをとらえる会心の一発で巨人を一気に突き放した。ダイヤモンドを一周し、ベンチで先輩たちから手荒に祝福されると感激のあまり、その目は真っ赤。そして9回表の守備に就く際には球場全体から「度会コール」が沸き起こり、感情を抑え切れずに涙を流した。

 この日までスランプにあえいだ。開幕戦から2試合連続で本塁打を放つなどセンセーショナルなデビューを飾ったが、その後は長いトンネルにハマり込んだ。しかし、初の8番降格となって迎えた2回二死の第1打席で相手先発・戸郷から甘く高めに浮いたフォークを逆方向の左前へと弾き返し、15打席ぶりの安打をマーク。さらに5回先頭の第2打席でも右前打を放ち、その後の3号満塁弾も含め、終わってみれば4打数3安打4打点の大暴れとなった。

 チームも7―2で大勝。鮮やかな復活を遂げ、試合後のヒーローインタビューに登壇した度会は「本当にいつも温かい声援を送ってくれる皆さんのおかげです」と感謝の言葉を述べ「一昨日(の本拠地・阪神戦で5打数無安打に終わり)打てなかったので、皆さんに申し訳ない気持ちだった。今日はこうやってちょっとだけですけど、打てたので良かったです」と謙虚にコメントした。

 そして8番降格となったことにも「やることは変わらない。全力で必死こいてやってやろうと思いました」と口にし、持ち前の明るさで前を向いていた。