オイルマネーを背景にボクシングのビッグマッチを実現させてきた、サウジアラビア娯楽庁の長官を務めるトゥルキ・アラルシク氏が、格闘技メディア「MMAアワー」に、「今年か来年に実現させたいドリームファイト」を挙げた。

 その一つが、世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(31=大橋)とWBA世界ライト級王者のガーボンタ・デービス(29=米国)の対戦だ。アラルシク氏は「もし彼ら(井上とデービス)が適正体重に達し、私たちに適切な提案をしてくれれば、それを実現できる」と自信をにじませた。

 かねて実現を待望されていた一戦だが、ライト級(61・23キロ)とスーパーバンタム級(55・34キロ)の体重差が問題視されていた。デービス本人も待望論に対して「私は彼と戦っているわけではない。彼は私の体重には遠く及ばない」と否定したこともある。

 それでもキャッチウエートでの実現を望む同氏は「井上は素晴らしいファイターだから、日本国内だけで戦わせるのではなく、世界に見てほしい。サウジアラビアでも、米国でも、ロンドンでも試合をさせたい。何年か後に辞めてしまうのは残念だし、彼の試合の99%は日本でのものだ」と力説した。

 そのほかにも、タイソン・フューリー対アンソニー・ジョシュア、カネロ・アルバレス対テレンス・クロフォード、デビッド・ベナビデス対アルトゥール・ベテルビエフまたはドミトリー・ビボルといったカードの実現させたい意向を示した。