桜花賞2024

[GⅠ桜花賞=2024年4月7日(日曜)3歳牝、阪神競馬場・芝外1600メートル]

 今週日曜(7日)のメインは牝馬クラシック第1弾の桜花賞(阪神芝外1600メートル)。2歳女王アスコリピチェーノを中心に主役候補が多数咲き誇って、まさに桜花らんまん。馬券的にも難解で面白い一戦となりそうだ。そんなレースこそ常に“特大ホームラン”を目指す当欄の出番。指名するのは、牝馬バトルにふさわしい名前を持つキャットファイトだ。

キャットファイト
キャットファイトが大波乱の立役者に!

 阪神JFから直行で臨む1、2着のアスコリピチェーノ&ステレンボッシュに、アルテミスS勝ち以来5か月ぶりの実戦となるチェルヴィニア…。昨年、重賞をにぎわせた才媛たちに加えて、各トライアルから新星候補が次々誕生し、多士済々の組み合わせとなった2024年桜花賞。まさに百花繚乱の戦いだ。それだけに「女性同士の取っ組み合いのケンカ」という意味を持つキャットファイトがこのレースを制するにふさわしい?

 そんな“こじつけ”的な理由でなく、この馬を狙うだけの正当な魅力はある。そもそもが2歳戦における中山マイルのレコードホルダー(アスター賞=1分33秒1)。能力の元値は確かだ。その後の2走(阪神JF10着→フェアリーS6着)は確かに物足りないが、それこそ馬名に似つかわしい激しい気性面がモロに出たもので参考外と言っていい。

 特に阪神JFは「初めての長距離輸送もあって、馬がテンパってしまい、返し馬で終わってしまった」と上原博調教師が振り返るように、全くレースに参加できなかった。そんな状況でアスコリピチェーノと1秒1差なら悲観するものではない。

 対策として今回は1日早い輸送、つまり金曜輸送を選択する。「阪神JFが(レース前日の)昼過ぎに着いてテンションが上がってしまった。今度は金曜(2日前)に現地入りして、前日に軽くスクーリングでもしてレースに落ち着いて臨めれば」と同師。阪神競馬場に到着して多少テンションが上がったとしても“ガス抜き”の時間を設けることで平常心でレースに向かい、持てる能力をフルに発揮できるという算段だ。

 もちろん、陣営の苦心はこれだけではない。「前回は調教も工夫してイレ込みは軽かった」。直前の追い切りを坂路調教(それまではウッドコース)に切り替えるなど普段の調教から工夫を重ねた結果がアネモネS1着。桜花賞への切符をガッチリ手にした。

 気持ちが燃え上がり我を忘れたあの時とはもう違う。多くの関東馬が栗東入りして調整する中、“ホーム”の美浦でひそかに爪を研いできた陣営が、阪神JFのホロ苦い経験を糧に、再びの仁川マイルで大仕事をやってのけそうだ。

 ☆キャットファイト(馬名)「女性同士の取っ組み合いのケンカ」の意。昨年末の阪神JFでは熱くなり過ぎて自滅したが、当時の反省を生かし、今度は冷静かつしなやかな立ち回りでタップを奪う。

ひと足早く桜冠をかぶるキャットファイト
ひと足早く桜冠をかぶるキャットファイト

著者:東スポ競馬編集部