勝浦正樹が引退表明後の初勝利
勝浦正樹が引退表明後の初勝利

 6日に来週(4月14日)での騎手引退を発表した勝浦正樹(45=美浦・フリー)が、7日の中山2R・3歳未勝利(ダ1800メートル)で、オウケンシルヴァーに騎乗して勝利。引退表明後の初勝利を飾った。今年4勝目、JRA通算966勝目。

 スタートから好位の外を追走。ゴール前で3頭併せの形となり、最後は外から1馬身差つけて差し切った。テン乗りの馬を正攻法の競馬でいきなり勝たせるのは、まさにベテランならではの味。腕は全く衰えていない。「位置を取って、追ってからもしっかり伸びていました。前走の経験が生きた感じでしたし、ヤンチャな面がなくなって走る方に気が向いている印象でしたね。いい時に乗らせてもらえました」。ゴールの瞬間には場内から割れんばかりの拍手がわき起こった。

「昨日、(引退を)発表してスッキリしましたね。別に競馬でできることが変わるわけじゃないので、競馬に影響はないですけどね。勝ててうれしいです。引退は別に隠してたわけじゃないんですが、知らない人も多かったみたいですね。ありがたいことにまだ騎乗依頼があるので、最後まで期待にこたえたいと思います」

 中山競馬場と競馬学校の間に位置する千葉県鎌ケ谷市の出身。謙虚な人柄で、以前から人一倍ファンサービスに熱心なことで知られている。「せめて自分ができることはと最後までさせてもらいました」。この日もJRAの職員に心配されるほどペンを握り続けた。

「今後の人生で競馬で勝利した喜びを超えるものは、もうないと思います。この喜びを味わえなくなるのはさびしいですね。引退撤回? それはあるあるなので、逆にやりたくはないかな」。昨年は名手デットーリが引退を撤回して現役続行しているが、その可能性は否定。今日7日と来週13、14日、残されたわずかな時間の中でもさらなる勝利を期待したい。

著者:東スポ競馬編集部