W・ビュイック騎手
W・ビュイック騎手

【TPC秋山響の海外競馬解析】9日にIFHA(国際競馬統括機関連盟)から今年3度目となる「ロンジンワールドベストレースホースランキング」が発表された。

 首位は3月のGⅠドバイワールドC(ダート2000メートル)を8馬身半差で圧勝したUAEのローレルリバー(牡6=父イントゥミスチーフ、B・シーマー厩舎)がレーティング128で変化なしだったが、今回121の評価を受け、一気に3位に食い込んだのが4日のGⅠ英2000ギニー(芝8ハロン)を制して4戦4勝としたノータブルスピーチ(牡3=父ドバウィ、C・アップルビー厩舎)。

 3歳馬としてはGⅠフロリダダービー圧勝のフィアースネスとGⅠケンタッキーダービー優勝のミスティックダンの米国勢2頭を1ポンド上回る最高評価となった。

 その英2000ギニーがどういったパフォーマンスだったかといえば、後方追走から持ったままで位置を上げていき、最後はGⅠジャンリュックラガルデール賞の勝ち馬ロサリオンに1馬身半差をつけるという文句なしの競馬。

 戦前には、今年1月のデビューからオールウエザーで3連勝して臨むという戦績を受けて、これまで初芝で制した馬がいないこと、3歳デビュー馬は1938年のパッシュ以来勝っていないというデータが懸念材料として挙げられていたが、2年連続の英リーディングジョッキーで、これまで100近いGⅠを制してきた鞍上のW・ビュイック騎手をして「これほどすごい加速力を持った馬に乗ったことはありません」と言わしめる走りで完勝した。

 次走はロイヤルアスコットのGⅠセントジェームズパレスS(6月18日=芝7ハロン213ヤード)が有力。欧州マイル界に現れた新星の走りに注目だ。

著者:東スポ競馬編集部