川崎市は、高津区役所や区内のこども文化センターなど公共施設などに設置している「給水スポット」を、今春からさらに拡充している。これはマイボトルの利用促進などを目的に2年前から行われてきた実証事業を経て、市が本格的に導入しようというもの。これからの季節、熱中症対策などにも期待が寄せられている。

今春から順次、各区の市民館やスポーツセンター、こども文化センターなどへの設置が進められている「給水スポット」にあるウォーターサーバーは「冷水」と「常温水」が出る仕様。マイボトルを持参することで、誰でも無料で給水する事ができる。

今回の拡充を経て川崎市内の給水スポットは延べ約100カ所となり、それぞれ設置状況については市のウェブサイト等に掲載されている。

32万本分の削減効果

プラスチックごみによる海洋汚染が国際的な問題となる中、市は2020年に「川崎市プラスチック資源循環への対応方針」を策定。方針に基づく取り組みの一つとして、ペットボトルの使用を減らし、マイボトルの利用を推進することを目的に、翌年から給水スポットを試験導入した。

2年に及ぶ実証事業では各区の区役所、一部のこども文化センター、環境啓発施設などにウォーターサーバーを計32台設置。市によると期間中、利用者がマイボトルを持参して給水のために利用した水の量は約16万リットル。500ミリのペットボトルにして「約32万本分」に相当するペットボトル削減効果につなかった事から、事業の継続実施について肯定的な意見が多く、本格導入への弾みとなっている。

「設置数増加」も検討

また実証事業の際、利用者からは「熱中症対策にもなる」といった声も多く、今後より需要が見込まれる季節の到来を前に市担当者は「利用状況を見ながら設置数を増やすことなどを含めて検討したい」と話している。

高津区内における設置場所は以下の通り(順不同)。

▽高津区役所1階総合庁舎案内横▽高津図書館1階トイレ横▽高津こども文化センター1階玄関ホール▽末長こども文化センター事務室横▽ノクティプラザ6階無印良品ノクティプラザ溝の口店