港北ニュータウン緑の会と大塚・歳勝土遺跡公園愛護会は、このたび「大塚・歳勝土遺跡公園自然ガイドブック─樹木編─」を完成させた。都筑区民活動センター(区庁舎内)と横浜市歴史博物館=中川中央=、都筑民家園=大棚西=の区内3カ所で無料配布を開始した。この自然ガイドブックでは同公園内の樹木59種類が紹介されている。

同公園は広さ約5・4haあり、その半分近くが竹林と雑木林から成る。自然ガイドブックでは、1ページに1種類の樹木が、写真やスケッチとともに紹介されている。執筆を担当したのは13人の会員。フォーマットは設けず、それぞれの個性を尊重する形を採用した。「決まり事はスケッチや公園の写真を入れることなどわずか。統一感はないが、逆に味になっているのでは」と同緑の会の永田和宏会長話す。

もともと各ページはA4用紙にコピーし、区民活動センターなどで配架していた。区民活動に対する3年間の補助金の申請が通り、A5版全72ページの冊子にまとめることになった。今回は500部作成し、区内3カ所で無料配布している。

ガイド本の地図には、樹木がどこにあるのかを記載。公園内の主な樹木には樹名板を付け、そこにある二次元コードを読み込むと、各樹木の説明が見られるようになっている。監修を務めた神奈川県植物誌調査会会員の北川淑子さんはあとがきで「この本に自分なりの気づきや観察結果を書き足し、あなただけの樹木図鑑を完成させていただければ」と呼びかける。

雑木林を復元

同緑の会が結成されたのは1992年。港北ニュータウン各地の公園や保存緑地にできた自然保護団体を連携させるネットワーク組織として発足した。

97年に開園した大塚・歳勝土遺跡公園の竹林を整備したことをきっかけに、活動拠点を移転。同公園愛護会ととともに園の整備に携わる。同公園の雑木林の復元にも取り組んでいる。

20年以上前からは植生の移り変わりを調査するように。年最低3回、10m四方の区画の植生の移り変わりを記録してきた。また、公園の自然にも慣れ親しんでもらおうと、定期的にイベントを開催している。