海上自衛隊・艦船補給処(田浦港町)内にある大型弾薬庫(火薬庫)について、現状と問題点を共有する学習会が3月20日、西逸見町のウェルシティ市民プラザで行われた。市民団体「田浦の弾薬庫に『NO』の会」の主催。

同処が位置する比与宇(ひよう)地区には戦前から旧海軍軍需部の弾薬庫があり、戦後自衛隊に引き継がれ使用されている。1986年、防衛省は隣接する土地を購入し、22年に新たに弾薬庫を2棟建設。

土地購入当初、同省は弾薬庫用地として使用しないとしていたため、同日講演を行ったNPO法人「ピースデポ」理事の木元茂夫さんは「当初の約束を破るようなもの。近隣住民へ事前の説明もなかった」と話した。

近隣にマンション

同省は、火薬の不慮の爆発が起きた際に近隣の基地外施設への被害を抑えるため、貯蔵されている火薬量と施設の種類によって決められる「保安距離」を設定している。しかし、庫内の火薬量は自衛隊機密として一般に公開されないため、住民には安全な距離が保たれているか判断ができない。

また、20年には全国の基地・駐屯地内の火薬庫27棟で保安距離が確保されず、火薬類取締法に違反していたとことが報じられており、学習会では「新しい弾薬庫の500m圏内にはマンションがあり住民としては不安だ」という声があがった。

「市と地域に説明を」

木元さんは「住民が安心して暮らせるよう、防衛省は横須賀市と住民に対し定期的な説明を行う必要がある」と問題点を主張。地元町内会で声を上げる重要性についても言及した。同会は昨年11月、南関東防衛局宛に安全性の説明を求める要望書を提出したが、3月25日時点で返答はないという。