実際の商業施設内で児童がアルバイトを体験するイベント「こどもシティ」が、3月17日にJR八王子駅前の八王子オクトーレで催された。市内の小学生と幼児あわせて約250人が参加して、カフェや書店などでの就労体験を通じて社会の仕組みを学んだ。

八王子市子ども・若者育成支援センター(旧児童館)の主催で行われた同イベント。会場内を街に見立て、子どもたちは市役所(受付)で住民票(入場券)を受け取り、ハローワーク(体験申し込み)で紹介された店舗でアルバイトをして、対価の通貨「ハッチ」を銀行(受領所)で受け取る。ハッチは会場内に設けられた模擬店で使えて、射的などのゲームで遊ぶことができるというもの。近隣中学校の生徒会など約40人が事前準備や模擬店の店長役を務める実行委員となり、青少年指導員などの子ども関係団体から約60人がボランティアスタッフとして運営に協力した。

楽しく社会体験

当日は同施設内の眼鏡店や100円ショップ、警備会社などの実店舗が協力。子どもたちは店内の清掃や館内の巡回警備など20分間のアルバイトを体験し、手に入れた報酬を使って、中学生や大人のボランティアスタッフが運営する模擬店でクイズや輪投げなどのゲームを満喫した。参加した小学3年生は「大人のように働いて、働いたお金で遊ぶのが楽しかった」と感想を話し、保護者の1人は「楽しみながら社会の仕組みに触れられる、とても良い機会」と取り組みを絶賛。市は「日常ではできない体験を提供するだけでなく、ボランティアとの交流を通じて地域と子どもたちのつながりを作れれば」と話している。