東京都は先ごろ、将来の妊娠や体外受精に備える「卵子凍結」にかかる費用の助成を2024年度も継続することを発表した。昨秋から始まったもので、申請者は3月20日までに千人を超えている。

卵子凍結は、将来の妊娠や体外受精に備えて、若いうちに卵子を採取し、凍結保存しておくもの。都は「子どもがほしい女性に対する支援の拡充」「女性が自分らしく生きるためのライフプランの選択肢をつくる」ことなどを目的に昨年10月、費用助成の受付を開始。3月20日時点で申請者数は1055人に上る。

昨年、「卵子凍結」を活用し、40代で次女を出産した町田市に住む女性は年齢を重ねてからの出産に対して、「人として成熟している分、余裕をもてることが高齢出産のメリット」と話す。

最大30万円

助成の対象となるのは、都内に住む18歳から39歳までの女性。制度開始以降、一人につき1回受けられ、卵子凍結を実施した年度は上限20万、次年度以降は28年度までの最大5年間、1年ごとに2万円助成される。不妊治療を目的とした採卵・卵子凍結を行う人は助成対象外となる。

都が昨年発表した医療機関に対して行ったアンケート調査によると、卵子凍結を実施した健康な女性が初めての採卵から、使用するまでにかかった年数は「1年未満」と「2―3年」の割合(それぞれ約20%)が多く、妊娠に至った人はおよそ30%だった。

説明会を開催

助成を受けるには、対象者向けのオンライン説明会への参加が必須で、卵子凍結にかかるメリット・デメリットなどに関する説明が行われるという。

24年度の説明会は5月中旬のゴールデンウィーク明け以降を予定。説明会参加後から1年以内に、卵子凍結にかかわる医療行為を開始する必要がある。助成金は、承認決定通知書が届いたおよそ1カ月後に、指定口座に振り込まれる予定という。

その他、この事業に関する詳細は都福祉局ホームページへ。