厚木市は2050年のカーボンニュートラル実現の一環として3月、玉川公民館と子育て支援センターの一部を木質化した。2024年度からは小学校の木質空間づくり事業もスタートしている。

「ウッドチェンジ」と呼ばれるこの取り組みは、森林資源の活性化や二酸化炭素排出抑制を目的として、2021年10月に都市(まち)の木造化推進法の施行により国が推進しているもの。

公共施設の木質化の取り組みは厚木市では初めてとなる。多くの森林を有する厚木市の間伐材利用を促進し森林整備の推進や市民に木の良さを伝え、森林循環など環境への関心を高めてもらうことを狙っている。

玉川公民館(七沢)は、1階ロビーに全長約70mにわたって腰板を設置。子育て支援センター(中町)では、床や本棚を木質化し絵本の読み聞かせ広場を設けた。広場に遊びに来ていた親子は「さっきまで親子で木の床に寝そべって感触を楽しんでいました。サラッとして、とても気持ちが良いです」と話した。

市担当職員は「木材は製造や加工に要するエネルギーが少なく二酸化炭素の排出量を抑えることができ、カーボンニュートラルにつながる」と話した。また今年度から順次、市内各小学校の廊下や昇降口など児童の目に触れる場に間伐材を利用した「小学校の木質空間づくり事業」もスタートした。

2023年に厚木市の山から搬出された間伐材は2千立米、長さ2m直径24cmの木だと約2万本にあたる。