県内の福祉の未来を拓く優れた先進事例を発掘・表彰する「かながわ福祉サービス大賞」の事例発表会と審査が4月17日、市内で行われ、霧が丘で地域コミュニティカフェ「ぷらっとkiricafe」を運営する「NPO法人霧が丘ぷらっとほーむ」が大賞に輝いた。同団体の根岸あすみ代表は「応援してくれる皆で取った『皆の賞』」と喜びを語った。

主催の公益社団法人かながわ福祉サービス振興会によると、同表彰活動は2012年に始まり今回で11回目。福祉現場で活動する団体から参加を募り、それぞれの活動事例などを審査している。

福祉サービスの質の向上を目的にした取組で、今回は16団体が応募。うち、書類や動画などの審査を経て入選した6団体が、4月17日の先進事例発表会に臨み、それぞれの活動をプロジェクターなどを使って紹介した。

「心温まる発表」

2月に緑区職員から同大賞への応募を勧められたという根岸代表は「活動の周知につながれば」と3月に応募。発表会当日は「違いを『楽しみ』そして『繋がり』〜助け合える地域へ〜」と題し、同NPO法人の総括責任者・武藏幸恵さんと共に活動内容を発表した。2022年4月に同団体を設立した経緯のほか、昨年1月に同cafeをオープンし、「多世代×多文化」による住民主体の活動を継続している様子なども伝えた。

根岸代表は自身が育った霧が丘について「人口は1万2000人弱。そこにインド人の子育て世代が約800人も住むという面白い変化を遂げた街」と紹介。武藏さんは外国人を含めた地域住民との交流について「楽しみながらつながることで、その先に助け合いが生まれると考えている」と言葉に力を込めた。

当日、会場には同cafeでボランティア活動をするシニア世代や常連客からなる応援団が駆け付け、主催者は「まさに『共創』の実践。心温まる発表だった」とした。

4月25日には同店内で盛大な祝賀会が開かれ、根岸代表は「皆が『報われるね』とか『励みになるね』と受賞を喜んでくれてうれしい。これからも、もっと『誰かを支えたい』という人を支えていく場にしていきたい」と熱意を語った。