麻生区は4月29日、区域全体で連携し新たな取り組みや価値を生み出す活動を支援する「麻生区ソーシャルデザインセンター」(あさおSDC)を開設した。人材育成など8つの機能を柱に、まちの課題解決に向け尽力していく。

SDCは、川崎市のコミュニティー施策の一環。地域の団体や資源をつなぐ中間支援機関としての役割が期待される。

麻生区では2020年1月から「あさお希望のシナリオプロジェクト」と題しワークショップの実施や区内施設・団体の視察を重ね、SDCに必要な機能や事業を検討してきた。今回、4年の歳月を経て開設に至った。

運営は学生から80代までの36人。同プロジェクトのメンバーが中核を担う。麻生区役所とも協力しながら、各自が興味のある事業を担当し、実現に向け動くという。今後は問題に対して適切にアドバイスができる「コーディネーター」の育成にも取り組んでいく。

同SDCが備える機能は「新たな参加を促す」「情報収集・提供」「既存団体間のネットワーク構築」「コーディネート・マッチング」「オンラインでの関係づくり」「人材育成」「相談・活動支援」「調査・研究」の8つ。例えば、相談型事業として、住民同士の居場所や交流の場をつくるための出張型窓口「SDCカー」を実施する。ほかにも、地域人材の経験を聞き、新たなつながりの創出、まちづくりへの参加を促す「100人カイギ」などを具体的な事業として行う方針だ。

同日、SDCの開設を記念して、麻生区役所前広場などで「まちのひろば祭り」と題した住民や団体が交流できるイベントを同プロジェクトの主催で実施。約3千5百人が会場を訪れた。あさおSDCの代表を務める俵隆典さんは「4年間の中で継続してきたことに磨きをかけながら活動していきたい。自分も楽しみながら、長くまちづくりに携わっていけたら」と意気込みを語った。

今回の開設により、SDCは市内全7区で展開されることになった。