言葉の意味や関連を知るのに、語源をたどるというのは1つの有効な手段になります。近年は特に、英語学習に役立てるための「語源本」も多く見受けられます。そして、多くの英語の語源が実はラテン語なのです。本稿では『世界はラテン語でできている』より抜粋・再構成のうえ、意外な語源のストーリーをご紹介します。

チャペル(礼拝堂)の語源

日本になじんだキリスト教圏の習慣として、チャペルでの結婚式があります。

「チャペル(chapel)」は英語で「礼拝堂」という意味です。ちなみにchapelという英単語には「印刷工組合」という意味もありますが、これはイングランドで初めて活版印刷を行ったウィリアム・キャクストンがウエストミンスター寺院付近の礼拝堂で仕事をはじめたからです。

そしてこのchapelという語は、語源をたどっていくと面白いのです。

まず、chapelはラテン語のcappella「礼拝堂」が語源になっているのですが、このcappellaの元々の意味は「小さなマント」です。この意味の変化には、トゥールのマールティーヌスという聖人が関わっています。