「東大生は社会で役に立たない」。こんな言葉を聞いたことがある人も、いるのではないでしょうか。社会に出て役に立つ人とは、どんな人材なのか。『高学歴のトリセツ 褒め方・伸ばし方・正しい使い方』を上梓した東大カルペ・ディエムの西岡壱誠さんがお話しします。

みなさんは、「東大生は、社会では役に立たない」という言葉を聞いたことはありますか? 東大生に限らず、偏差値が高い大学に通っている高学歴のエリート人材に対して、「頭はいいけれど、会社ではあまり役に立たない」といった評価をしている人もいます。

それが高学歴に対する嫉妬からなのか、それとも仕事をするうえで、本当に使いモノにならず、役に立たない人材なのか、いろんな見方があるでしょう。

なぜそんなふうに言われてしまうのか。今回は、「東大生は、社会で役に立たない」と言われてしまう背景について考えたいと思います。

社会に出て役に立つ人材の3つの能力

そもそも、「社会に出て、役に立つ人材」というのは、どんな能力が必要なのでしょうか? これについて私は、3つの能力が必要だと考えています。

① 専門家としての能力、② 労働者としての能力、③同僚としての能力です。

この3つの能力のうち、どれか1つでも著しく欠けていると、残念ながら、その人はなかなか会社でうまくいきません。