記憶力や論理的思考力・説明力、抽象的な思考能力など、「頭がいい」といわれる人の特徴になるような能力というのは、先天的に決められている部分があり、後天的に獲得している能力は少ないと考える人が多いのではないでしょうか。

その考えを否定するのが、偏差値35から東大合格を果たした西岡壱誠氏です。漫画『ドラゴン桜2』(講談社)編集担当の西岡氏は、小学校、中学校では成績が振るわず、高校入学時に東大に合格するなんて誰も思っていなかったような人が、一念発起して勉強し、偏差値を一気に上げて合格するという「リアルドラゴン桜」な実例を集めて全国いろんな学校に教育実践を行う「チームドラゴン桜」を作っています。

そこで集まった知見を基に、後天的に身につけられる「東大に合格できるくらい頭をよくするテクニック」を伝授するこの連載(毎週火曜日配信)。連載を再構成し、加筆修正を加えた新刊『なぜか結果を出す人が勉強以前にやっていること』が、発売後すぐに3万部のベストセラーとなっています。第111回は東大生の親が、子どもに対して「子ども扱いしない」場合が多いことについてお話しします。

生々しい話も子どもにする

東大に合格する人の親御さんは、子どもにどう接することが多いのでしょうか?

今年も多くの新入生たちが、東大に入学しました。僕はそんな新入生たちと話をするのが好きで、彼ら・彼女たちがどんな家庭環境から東大に合格したのかを調べています。

そんな中で見えてきたのは、東大の新入生たちは「大人から、子ども扱いされたことが少ない人が多い」ということでした。

例えば、今年の新入生の中には「中学受験の際に、どれくらいの金額が受験のときに必要だったのか、親から説明された」と言っていた人がいました。

小学生に対してお金の話をするのはタブー、という風潮がある中で、なかなか珍しいですよね。