私は特に部下に対しては、「この1カ月で頭の中を占めているTOP3は何?」と定期的に聞くようにしています。こうした質問を通して、これまで私自身も、部下から、「実は母が急に入院して……それで頭がいっぱいなんです」とか、「この間プロポーズされたんです。来年には入籍しようと話しています」といった、個人的な事情を教えてもらったことがあります。

こうした事情は、仕事とは直接つながっていないとはいえ、例えばその時期は責任の重い仕事はやめようとか、残業が少なくなるようにしようとか、そうした判断につながっていきます。相手が何を大切に思っているかも見えてくる、とても重要な情報です。

さらに多くのことを知りたければ、「いいこと」と「悪いこと」それぞれのTOP3を聞くといいですね。定期的に繰り返すと、頭を占めているものの順番が変わったり、なくなったりすることで経過観察もできます。

これはビジネスだけでなく、プライベートでも有効です。私は子どもと一緒に入浴しているときなどによくやっています。小学生の三男は、たいていゲームや遊びのことばかりですが、定期的に聞いていると、「あれ?この前はそんなこと言ってなかったね」と変化に気がつくことができるのです。

まずは自分から情報を発信することを意識する

②「自分のこと」をきちんと話す

相手のことを知るために意外に重要なのが、「自分のこと」を話すことです。これは、「自己開示」といわれています。私はセミナーでは1時間をかけて、自己紹介をします。それは、ただ私が自分のことを話したいから……ではありません。