もちろん、だからといって「やらないといけないこと」を放棄したわけではありません。

「やらないといけないこと」をまずは「やって楽しい」に変換できないかを考えるようになったのです。

変換できないか考えるだけでも、時間に対するとらえ方が大きく変わりました。明らかに「幸福の時間」を増やすことができたのです。

『このプリン、いま食べるか?ガマンするか?』(柿内尚文)より。イラスト/竹内巧

目的の変換をすると時間の価値も変化する

「やらなければいけないこと」を「やりたいこと」に一気に変換するのは難しいかもしれませんが、徐々に変えていくことは可能です。

それは、毎日「小さな変化」をしていくことです。小さな変化を続けていくことを「時間複利の法則」と僕は呼んでいます。「複利」とは投資や預金などで使われる言葉で、投資で得た利子を元本に組み入れていく計算方法です。これにより利子がプラスされて投資のもとになる金額が増え、同じ利率で利益が出た場合、金額はどんどん大きくなります。

自分を変えていく時も同じことがいえます。

「元の自分+変化した自分」がベースになっていくので、どんどん変化の度合いが増えていきます。

たとえば、やりたいと思ってやっていた仕事が、だんだん義務感だけで行うものになってしまった場合。

今の仕事の中に「興味が持てる部分」「おもしろいと思えそうな部分」「好きな部分」を見つけて、1日10分だけでもその時間を「楽しい」「おもしろい」「興味が持てる」という意識で仕事に取り組んでみる。