空前の生成AIブームの中、一般の人でもそのすごさが実感できるような生成AIツールが次々と登場しています。SF作家のアーサー・C・クラークは「十分に発達した科学は、魔法と見分けがつかない」という言葉を残していますが、急速に発展する生成AIツールでできることは、数年前までは研究者ですら想像もつかなかったような、まさに「魔法」のようです。そんな最新生成AIツールについて『生成AIで世界はこう変わる』の著者であるAI研究者・今井翔太氏に語ってもらいました。

どのようなツールを使えばいいか

拙著『生成AIで世界はこう変わる』では、具体的な生成AIツールの使い方について説明を行うことはしませんでした。技術の発展が速すぎ、個別のツールの解説をしてもすぐに陳腐化するためです。

仮に本の中でツールの説明をして、それが別の上位互換的なツールに置き換わってしまった場合、その記述は役に立たなくなってしまうでしょう。実際、動画生成AIに関しては、書籍の執筆時にあったほとんどの動画生成AIのツールは、OpenAI社の開発した動画生成AI「Sora」に置き換えられてしまいそうです。

しかし、生成AIツールが増えすぎたがゆえに、かえって「どのようなツールを使えばいいかわからない」という声があがっています。現に、画像生成AIのツールだけでも何十個、何百個くらいのツールが存在します。

また、「生成AIはすごいすごいと言われているが、自分でそれを実感できない」という声が一般の方からも多く聞こえてきます。