出雲大社の近くに楽天グループが運営に関わる素泊まりの宿泊施設が、6月にオープンします。近年、宿泊施設の開業が相次ぐ出雲大社周辺で、日中だけでなく夜の賑わい創出に向け、地域全体での取り組みが重要になっています。

6月12日に、出雲大社から稲佐の浜に続く通り沿いにオープンする「楽天ステイ出雲」。オープンを前にメディア向けの内覧会が開かれました。
宿には、メゾネットタイプの4部屋と、一棟貸しタイプの「離れ」1部屋、合わせて5部屋が用意されています。最大の特徴が…。

櫃田優果記者
「白を基調とした木の温かみが感じられるこのお部屋、全室に日本庭園がついているんです」

日本庭園付きの部屋からは、出雲大社の裏手にある八雲山を眺めることができます。また低温サウナも備えられ、ゆったりとした時間を過ごすことができるといいます。運営に関わる「楽天ステイ」は「民泊」需要に対応しようと、2018年以降、全国各地に40施設以上を開業していて、島根県内では松江市に続いて2つ目です。
チェックインの際に使用する専用タブレットは、英語をはじめとする4か国語に対応していて、外国人観光客の利用も見込んでいます。また特筆すべきなのが、宿泊プランがすべて食事のつかない「素泊まり」であること。宿泊客が近くの飲食店で食事をすることで、周辺地域を巻き込んだ活性化が期待されます。

楽天ステイ広報部・荒井俊洋さん
「この施設を拠点に観光をしていただきたい。楽天ステイとしても地域活性化の役割を担っていけたらと感じています」

出雲市によると、2019年以降では出雲大社周辺に民泊を含む宿泊施設が8軒開業しています。その一方で…。

櫃田優果記者
「最近宿泊施設が増えている、ここ出雲大社周辺ですが、大きな課題もあるようです」

観光客
「(飲食店の夜間営業がない場合)コンビニを利用する」
「結局いつもの食事と変わらない感じになってしまった」

周辺に夜間に営業している飲食店が少なく、素泊まりの宿泊客の食事の選択肢が少ないという課題があります。周辺の飲食店も夜間営業のニーズを感じています。

大社町内の飲食店「看雲楼」・安井薫さん
「(夜間の営業について)お問い合わせいただくことが増えている」

大社町内の飲食店「縁」・錦織正人社長
「素泊まりが増えれば夜間営業は)あってもいいんじゃない。その方がこの周辺の夜の活性化にもなる」

大社周辺に増加する宿泊施設、そして素泊まり客。今後、日中だけではなくどのように夜のにぎわいを創出するかが課題となっています。