人口が100万人の大台を割り込んだ富山県。そのなかの中核都市のひとつ、魚津市は国内最古の水族館「魚津水族館」があることで有名です。こうした“地域資源”を活かし人口減少対策に取り組むことが待ったなしとなっているその魚津市で、3期目を迎える村椿晃市長(66)は「活気を感じてもらえるような市政運営」を掲げ、意気込んでいます。しかし、目の前にはその“地域資源”の再整備、そして同じく老朽化が進む市庁舎の整備など課題が山積みです。

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1日、魚津市の村椿晃市長が3期目の当選を決めて初めての定例記者会見に臨み、意気込みを語りました。

村椿市長:「3期目はぜひ市民の皆さんに、新しい動きですとか活気を感じてもらえるような市政運営になるように頑張っていきたい」

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4月におこなわれた魚津市長選挙で、自身初となる無投票で3選を果たした村椿市長。元県職員で生活環境部長などを歴任。2期目においては財政健全化計画を2年前倒しで終え、子育てや教育環境の拡充に取り組んできました。3期目のビジョンについては自身が掲げてきた「子育て・教育・観光」政策を充実させ最重要課題である人口減少対策と少子高齢化対策に注力するとしています。

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村椿市長:「何よりも、この魚津市が魚津であるために必要なことは、オンリーワンの地域資源を生かしていくことであります。110年の歴史を誇る魚津水族館があります」

市長が掲げた「オンリーワンの地域資源」の1つ魚津水族館。現存する国内最古の水族館です。

現在の3代目の施設はことしで築43年を迎え館内のあちこちで老朽化が目立ちます。

高田弘美館長:「水槽の劣化ですとか、ポンプなどの機器、いろんなところに支障が出ている。先に直したものはまた何年かしたら更新の時期を迎えることもありますので、まさに”イタチの追いかけっこ”」

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人気スポットのひとつ「波の水槽」は装置が寿命を迎え、スタッフが人力で波を起こしています。ひびが入り、撤去予定の水槽も。バックヤードでも配管が結露でぼろぼろになり、修繕を繰り返しています。

水族館は建て替えが必要な時期を迎えていますが市の議論は、水族館よりも古い市役所の建て替えが先行しています。

高田弘美館長:「限られた予算のなかでやはり市政を運営していくにあたって、(市庁舎と)同時にというのはなかなか難しいのかなと思いますので。順番にというところなんだと思います」

高田館長は市の姿勢に理解を示しつつも―。

高田弘美館長:「いつ壊れてもおかしくない状況のものがたくさんあるので、建て替えは早くしてもらえればいいなという思いはありますけれども」

一方、市役所本庁舎が築50年を超える魚津市。

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2029年度に新庁舎の供用開始を目指しています。市は、事業費をおよそ70億円と試算していますが資材の高騰などもあり、さらに上振れする可能性も否定できないとしています。

村椿市長は、庁舎の更新は必要としたうえで、今後の人口減少や職員の働き方の変化を見据えた整備が必要と話しました。

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村椿市長:「これから、ある程度後のスパンを考えた新しい行政サービスの提供の仕方をにらんで規模を考えていく必要がある」

老朽化する魚津水族館については―。

村椿市長:「街づくりとしてどういう水族館であるべきかということを先にしっかり考えたいと思っています」

人口3万9000人あまりの魚津市。老朽化した施設の再整備と最重要課題である人口減少への対策をどう進めるか、3期目を迎える村椿市長の真価が問われます。