山形県の鶴岡市立荘内病院で、きのう、診療費の算定ミスがあったことがわかった。

荘内病院では、時間外救急センターを円滑に運営するため、緊急性のない患者の来院を抑制する目的で、軽症者が時間外にセンターを利用した場合、医療保険適用外の「時間外診療加算料」の負担を求めている。


しかし今回はこれに加え、医療保険適用の「診療報酬における初・再診の時間外加算」も合わせて請求していた。


二重請求していたことになる。

では具体的にいくら請求していたのか。

時間外診療加算料は病院が独自に金額を設定できるもので、荘内病院では、救急センターを時間外に利用し軽症と判断された患者に対し、税込み3300円を請求している。

また、医療保険適用の「診療報酬における初・再診の時間外加算」は、法令で決められているもので、初診か再診か、曜日・時間帯、年齢などで負担額の条件が細かく設定、請求されている。負担額は70円〜6950円と幅が広い。(子ども医療証がある場合は患者の負担は実質なし)

荘内病院では、医師が軽症と判断した場合、独自に設定した3300円のみを請求すればよいところ、「3300円+70円〜6950円」を請求していたことになる。

ミスの期間は時間外診療加算料を設けた2012年4月から、ミスが発覚した今年の1月まで。病院内部の事務処理を見直す過程でミスがわかった。


なぜミスが起きたのかについて、病院側はTUYの取材に対し「時間外診療加算料を導入する際に、当時の担当者が法令の解釈を誤ったのだと思う」としている。

荘内病院は、民法に規定のある消滅時効に基づき、対象者に二重請求分を返還するとしている。対象患者数は約1万4500人、返還金額は約1250万円、平均返還金額は1人当たり約860円。また、対象医療保険者は約230機関、返還金額は約1080万円になるという。

対象者には今月中旬以降、文書で通知する。

今後について、荘内病院の担当者は「新たな算定を開始、また法令改正などで取り扱いが変わる場合には、複数の職員でこれまで以上に精査し再発防止に努める」としている。