目が見えにくい人でも被写体をはっきり捉えることができるデジタルカメラが盲学校に寄贈されました。

 電機大手のソニーなどが開発した網膜投影カメラキットは、微細なレーザーで網膜に直接投影する特殊なファインダーが特徴です。

 目のピント調整機能の影響を受けにくいこの独自技術を使うことで、眼鏡などを装着しても目が見えにくい人でも被写体をはっきりと捉えることができるということです。

 カメラはこれまでに全国の盲学校や支援団体に約200個が寄贈され、この日は寄贈先の東京都立八王子盲学校で生徒が撮影を体験しました。

都立八王子盲学校 高校3年 南乃綾さん
「もうちょっと見えていた時の見え方が戻ってきた感じで色々なものがはっきりして見えやすかったので、すごくうれしかったです」

都立八王子盲学校 田島由紀子校長
「自分でこういうものを撮りたいなというふうに考えるのが良い経験だったんじゃないかな。どんどん外に出ていきたいという意欲にもつながったのではないか」

 共同開発したレーザー機器メーカー「QDレーザ」によりますと、眼鏡やコンタクトレンズを使っても目が見えにくい「ロービジョン」と呼ばれる人は国内で145万人いると推定されていて、「カメラを活用してクリエイティビティーを発揮してほしい」としています。